こんにちは!カイクンです。
今日はUIにおける「プライマリーカラー」について話していきたいと思います。
色というのは、UIデザインの中でも非常に影響範囲が大きい要素です。ビジュアル全体の印象を簡単に変えることができる反面、使い方を間違えると一瞬で崩れてしまう。そういう強い要素なんですよね。
僕自身、色を扱うのは結構好きなんですけど、やりすぎると画面全体の印象がガラッと変わってしまう。だから、UIでもバナー制作でも、色を入れるのは最後の工程にすることが多いんです。構造やレイアウトを先に固めて、その上に色を乗せた方が絶対にうまくいく。最初から色を入れてしまうと、土台のバランスを見誤ることがあるからです。
つまり、色は強い影響力を持つからこそ、扱い方を慎重にしなければならない。今日はその中でも「プライマリーカラー」に焦点を当てて、実践的な視点から考えていきます。
まず、そもそもプライマリーカラーとは何なのか。
「UIビジュアル基礎」というBONOのコンテンツの中でも紹介しているのですが、UIで使う配色の中で、アクションやボタンなど“操作できる部分”に使われるメインの色を「プライマリーカラー」と呼びます。
基本的な使い方は、「アクションができる場所」に使うこと。たとえばボタンやテキストリンクなど、触れる可能性のある要素ですね。ここが最も重要な基本原則です。
ただし、例外もあります。たとえばタブで現在地を示すようなハイライトに使われることもありますが、これはあくまで補助的な使い方です。基本はアクション。これをまず押さえておくことが大切です。
では、実際のサービスでどのように使われているか。Spotifyを例に見てみましょう。
Spotifyのプライマリーカラーは「緑」です。この緑色は、主に再生ボタンなどのアクション部分に使われています。再生プレイヤーのボタンでマウスホバーしたときに現れる緑の再生マークなどがそれですね。
ただ、常に表示されている下部のプレイヤーバーにはこの緑が使われていません。なぜかというと、常に見えている要素は「説明しなくてもわかる」から。つまり、優先度が低いわけです。プライマリーカラーは優先度の高い要素に使うからこそ効果的なんです。
もうひとつ例を挙げると、右側にある「再生中の詳細パネルを開くボタン」。これはオンの状態を示すために緑でハイライトされています。電源ランプのように「今オンですよ」と示す役割ですね。
このように、プライマリーカラーはアクションや現在地を示すなど、“ユーザーが今どこにいるか、何を操作できるか”を伝えるために使われる。
一方で、常に表示されるものや説明しなくても伝わるものには使わない。これがUI全体のバランスを整える基本です。
次に、デザイントレーニングの中で扱った「お薬手帳プラス」というアプリを題材にした例です。
このアプリのプライマリーカラーは青。アクションに使われる色です。ただ、元のデザインではこの青がナビゲーションやタブなど、画面全体に広く使われていました。
リデザイン後の画面では、この色の使用範囲をぐっと減らしています。ヘッダーやタブには使わず、ボタンなどアクション部分だけに絞ったんです。
その結果どうなったか。
全体を見たとき、色がついている箇所が非常に限られるので、自然とそこに目が行く。つまり、有彩色を減らした分だけ、コントラストが強調され、視線がコントロールしやすくなったというわけです。
一方でBeforeのデザインでは、ヘッダーやナビゲーションなど複数の箇所に青が使われていたため、画面全体がフラットに見えてしまい、どこが重要なのかが分かりにくい印象になっていました。
UIでは「どこを操作できるのか」が一目で分かることが大事です。そのためには、プライマリーカラーはアクションやハイライトなど“操作の起点”に絞って使うことが効果的なんです。
ここで、よくある疑問についても触れておきます。
「タブを塗りつぶすデザインでは、メリハリがなくなり重要な部分が分かりにくくなるのでは?」という質問です。
実際にテンプレートのタブデザインを見てみると、たとえば“ヘア”と“ネイル”のタブがあり、選択中のタブが背景色で塗りつぶされています。
ここで注意すべきは、塗りつぶしに使われている色がプライマリーカラーではないということ。プライマリーカラーは本来ボタンやリンクなどのアクション部分に使う色であり、この場合のタブはそれとは違うルールで運用されています。
また、背景色が濃く、文字色が白になっているため、強いコントラストが生まれています。これは目を引く効果がある一方で、優先度のバランスを崩す危険もある。もし画面内により重要な要素がある場合、そちらの存在が埋もれてしまうこともあります。
つまり、塗りつぶしは慎重に使うべき。
優先度が高い要素なら問題ないけれど、そうでない場合は画面のバランスを崩す可能性があります。
ヘッダーにプライマリーカラーをベタ塗りするようなデザインも、一昔前にはよく見られました。特に2010年前後、マテリアルデザインが出たばかりの頃はこうしたデザインが流行していたんです。
当時はスマートフォン操作に慣れていなかったこともあり、ナビゲーションを強調する目的でヘッダーを濃い色で塗るケースが多かった。
でも今はもう、その体験は古い。
最近のアプリやサービスを見れば分かる通り、ナビゲーションはほとんど白やグレーです。理由は明確で、コンテンツを引き立たせるためです。プライマリーカラーはアクションを目立たせるために使うものであって、ナビゲーションや背景に使うものではないんです。
最後に、今日の話をまとめます。
プライマリーカラーは、UIの中で最もコントラストを持たせやすい色。だからこそ、アクションなどの「操作できる部分」に使うのが基本です。機能性の面でも、見た目の面でも“メリハリ”を生むことができる。
一方で、色を使いすぎると画面全体の役割が曖昧になります。
だから、アクションに使う色は統一した方がいい。同じ青をボタンやリンクに使えば、ユーザーは無意識のうちに「青=触れる」と理解できるようになる。
色は「装飾」ではなく「役割」で考える。
優先度の高い箇所にだけ使い、その他は白・黒・グレーをベースにしてバランスを取る。これがプライマリーカラーの本質です。
UIを観察するときも、ぜひこの視点で見てみてください。
「なぜこの色はここに使われているんだろう?」と考えるだけで、デザインの理解が一気に深まります。
色は、見た目を整えるためのものではなく、使いやすさを導くための設計要素なんです。
こんにちは!カイクンです。
今日はUIにおける「プライマリーカラー」について話していきたいと思います。
色というのは、UIデザインの中でも非常に影響範囲が大きい要素です。ビジュアル全体の印象を簡単に変えることができる反面、使い方を間違えると一瞬で崩れてしまう。そういう強い要素なんですよね。
僕自身、色を扱うのは結構好きなんですけど、やりすぎると画面全体の印象がガラッと変わってしまう。だから、UIでもバナー制作でも、色を入れるのは最後の工程にすることが多いんです。構造やレイアウトを先に固めて、その上に色を乗せた方が絶対にうまくいく。最初から色を入れてしまうと、土台のバランスを見誤ることがあるからです。
つまり、色は強い影響力を持つからこそ、扱い方を慎重にしなければならない。今日はその中でも「プライマリーカラー」に焦点を当てて、実践的な視点から考えていきます。
まず、そもそもプライマリーカラーとは何なのか。
「UIビジュアル基礎」というBONOのコンテンツの中でも紹介しているのですが、UIで使う配色の中で、アクションやボタンなど“操作できる部分”に使われるメインの色を「プライマリーカラー」と呼びます。
基本的な使い方は、「アクションができる場所」に使うこと。たとえばボタンやテキストリンクなど、触れる可能性のある要素ですね。ここが最も重要な基本原則です。
ただし、例外もあります。たとえばタブで現在地を示すようなハイライトに使われることもありますが、これはあくまで補助的な使い方です。基本はアクション。これをまず押さえておくことが大切です。
では、実際のサービスでどのように使われているか。Spotifyを例に見てみましょう。
Spotifyのプライマリーカラーは「緑」です。この緑色は、主に再生ボタンなどのアクション部分に使われています。再生プレイヤーのボタンでマウスホバーしたときに現れる緑の再生マークなどがそれですね。
ただ、常に表示されている下部のプレイヤーバーにはこの緑が使われていません。なぜかというと、常に見えている要素は「説明しなくてもわかる」から。つまり、優先度が低いわけです。プライマリーカラーは優先度の高い要素に使うからこそ効果的なんです。
もうひとつ例を挙げると、右側にある「再生中の詳細パネルを開くボタン」。これはオンの状態を示すために緑でハイライトされています。電源ランプのように「今オンですよ」と示す役割ですね。
このように、プライマリーカラーはアクションや現在地を示すなど、“ユーザーが今どこにいるか、何を操作できるか”を伝えるために使われる。
一方で、常に表示されるものや説明しなくても伝わるものには使わない。これがUI全体のバランスを整える基本です。
次に、デザイントレーニングの中で扱った「お薬手帳プラス」というアプリを題材にした例です。
このアプリのプライマリーカラーは青。アクションに使われる色です。ただ、元のデザインではこの青がナビゲーションやタブなど、画面全体に広く使われていました。
リデザイン後の画面では、この色の使用範囲をぐっと減らしています。ヘッダーやタブには使わず、ボタンなどアクション部分だけに絞ったんです。
その結果どうなったか。
全体を見たとき、色がついている箇所が非常に限られるので、自然とそこに目が行く。つまり、有彩色を減らした分だけ、コントラストが強調され、視線がコントロールしやすくなったというわけです。
一方でBeforeのデザインでは、ヘッダーやナビゲーションなど複数の箇所に青が使われていたため、画面全体がフラットに見えてしまい、どこが重要なのかが分かりにくい印象になっていました。
UIでは「どこを操作できるのか」が一目で分かることが大事です。そのためには、プライマリーカラーはアクションやハイライトなど“操作の起点”に絞って使うことが効果的なんです。
ここで、よくある疑問についても触れておきます。
「タブを塗りつぶすデザインでは、メリハリがなくなり重要な部分が分かりにくくなるのでは?」という質問です。
実際にテンプレートのタブデザインを見てみると、たとえば“ヘア”と“ネイル”のタブがあり、選択中のタブが背景色で塗りつぶされています。
ここで注意すべきは、塗りつぶしに使われている色がプライマリーカラーではないということ。プライマリーカラーは本来ボタンやリンクなどのアクション部分に使う色であり、この場合のタブはそれとは違うルールで運用されています。
また、背景色が濃く、文字色が白になっているため、強いコントラストが生まれています。これは目を引く効果がある一方で、優先度のバランスを崩す危険もある。もし画面内により重要な要素がある場合、そちらの存在が埋もれてしまうこともあります。
つまり、塗りつぶしは慎重に使うべき。
優先度が高い要素なら問題ないけれど、そうでない場合は画面のバランスを崩す可能性があります。
ヘッダーにプライマリーカラーをベタ塗りするようなデザインも、一昔前にはよく見られました。特に2010年前後、マテリアルデザインが出たばかりの頃はこうしたデザインが流行していたんです。
当時はスマートフォン操作に慣れていなかったこともあり、ナビゲーションを強調する目的でヘッダーを濃い色で塗るケースが多かった。
でも今はもう、その体験は古い。
最近のアプリやサービスを見れば分かる通り、ナビゲーションはほとんど白やグレーです。理由は明確で、コンテンツを引き立たせるためです。プライマリーカラーはアクションを目立たせるために使うものであって、ナビゲーションや背景に使うものではないんです。
最後に、今日の話をまとめます。
プライマリーカラーは、UIの中で最もコントラストを持たせやすい色。だからこそ、アクションなどの「操作できる部分」に使うのが基本です。機能性の面でも、見た目の面でも“メリハリ”を生むことができる。
一方で、色を使いすぎると画面全体の役割が曖昧になります。
だから、アクションに使う色は統一した方がいい。同じ青をボタンやリンクに使えば、ユーザーは無意識のうちに「青=触れる」と理解できるようになる。
色は「装飾」ではなく「役割」で考える。
優先度の高い箇所にだけ使い、その他は白・黒・グレーをベースにしてバランスを取る。これがプライマリーカラーの本質です。
UIを観察するときも、ぜひこの視点で見てみてください。
「なぜこの色はここに使われているんだろう?」と考えるだけで、デザインの理解が一気に深まります。
色は、見た目を整えるためのものではなく、使いやすさを導くための設計要素なんです。
こんにちは!カイクンです。
今日はUIにおける「プライマリーカラー」について話していきたいと思います。
色というのは、UIデザインの中でも非常に影響範囲が大きい要素です。ビジュアル全体の印象を簡単に変えることができる反面、使い方を間違えると一瞬で崩れてしまう。そういう強い要素なんですよね。
僕自身、色を扱うのは結構好きなんですけど、やりすぎると画面全体の印象がガラッと変わってしまう。だから、UIでもバナー制作でも、色を入れるのは最後の工程にすることが多いんです。構造やレイアウトを先に固めて、その上に色を乗せた方が絶対にうまくいく。最初から色を入れてしまうと、土台のバランスを見誤ることがあるからです。
つまり、色は強い影響力を持つからこそ、扱い方を慎重にしなければならない。今日はその中でも「プライマリーカラー」に焦点を当てて、実践的な視点から考えていきます。
まず、そもそもプライマリーカラーとは何なのか。
「UIビジュアル基礎」というBONOのコンテンツの中でも紹介しているのですが、UIで使う配色の中で、アクションやボタンなど“操作できる部分”に使われるメインの色を「プライマリーカラー」と呼びます。
基本的な使い方は、「アクションができる場所」に使うこと。たとえばボタンやテキストリンクなど、触れる可能性のある要素ですね。ここが最も重要な基本原則です。
ただし、例外もあります。たとえばタブで現在地を示すようなハイライトに使われることもありますが、これはあくまで補助的な使い方です。基本はアクション。これをまず押さえておくことが大切です。
では、実際のサービスでどのように使われているか。Spotifyを例に見てみましょう。
Spotifyのプライマリーカラーは「緑」です。この緑色は、主に再生ボタンなどのアクション部分に使われています。再生プレイヤーのボタンでマウスホバーしたときに現れる緑の再生マークなどがそれですね。
ただ、常に表示されている下部のプレイヤーバーにはこの緑が使われていません。なぜかというと、常に見えている要素は「説明しなくてもわかる」から。つまり、優先度が低いわけです。プライマリーカラーは優先度の高い要素に使うからこそ効果的なんです。
もうひとつ例を挙げると、右側にある「再生中の詳細パネルを開くボタン」。これはオンの状態を示すために緑でハイライトされています。電源ランプのように「今オンですよ」と示す役割ですね。
このように、プライマリーカラーはアクションや現在地を示すなど、“ユーザーが今どこにいるか、何を操作できるか”を伝えるために使われる。
一方で、常に表示されるものや説明しなくても伝わるものには使わない。これがUI全体のバランスを整える基本です。
次に、デザイントレーニングの中で扱った「お薬手帳プラス」というアプリを題材にした例です。
このアプリのプライマリーカラーは青。アクションに使われる色です。ただ、元のデザインではこの青がナビゲーションやタブなど、画面全体に広く使われていました。
リデザイン後の画面では、この色の使用範囲をぐっと減らしています。ヘッダーやタブには使わず、ボタンなどアクション部分だけに絞ったんです。
その結果どうなったか。
全体を見たとき、色がついている箇所が非常に限られるので、自然とそこに目が行く。つまり、有彩色を減らした分だけ、コントラストが強調され、視線がコントロールしやすくなったというわけです。
一方でBeforeのデザインでは、ヘッダーやナビゲーションなど複数の箇所に青が使われていたため、画面全体がフラットに見えてしまい、どこが重要なのかが分かりにくい印象になっていました。
UIでは「どこを操作できるのか」が一目で分かることが大事です。そのためには、プライマリーカラーはアクションやハイライトなど“操作の起点”に絞って使うことが効果的なんです。
ここで、よくある疑問についても触れておきます。
「タブを塗りつぶすデザインでは、メリハリがなくなり重要な部分が分かりにくくなるのでは?」という質問です。
実際にテンプレートのタブデザインを見てみると、たとえば“ヘア”と“ネイル”のタブがあり、選択中のタブが背景色で塗りつぶされています。
ここで注意すべきは、塗りつぶしに使われている色がプライマリーカラーではないということ。プライマリーカラーは本来ボタンやリンクなどのアクション部分に使う色であり、この場合のタブはそれとは違うルールで運用されています。
また、背景色が濃く、文字色が白になっているため、強いコントラストが生まれています。これは目を引く効果がある一方で、優先度のバランスを崩す危険もある。もし画面内により重要な要素がある場合、そちらの存在が埋もれてしまうこともあります。
つまり、塗りつぶしは慎重に使うべき。
優先度が高い要素なら問題ないけれど、そうでない場合は画面のバランスを崩す可能性があります。
ヘッダーにプライマリーカラーをベタ塗りするようなデザインも、一昔前にはよく見られました。特に2010年前後、マテリアルデザインが出たばかりの頃はこうしたデザインが流行していたんです。
当時はスマートフォン操作に慣れていなかったこともあり、ナビゲーションを強調する目的でヘッダーを濃い色で塗るケースが多かった。
でも今はもう、その体験は古い。
最近のアプリやサービスを見れば分かる通り、ナビゲーションはほとんど白やグレーです。理由は明確で、コンテンツを引き立たせるためです。プライマリーカラーはアクションを目立たせるために使うものであって、ナビゲーションや背景に使うものではないんです。
最後に、今日の話をまとめます。
プライマリーカラーは、UIの中で最もコントラストを持たせやすい色。だからこそ、アクションなどの「操作できる部分」に使うのが基本です。機能性の面でも、見た目の面でも“メリハリ”を生むことができる。
一方で、色を使いすぎると画面全体の役割が曖昧になります。
だから、アクションに使う色は統一した方がいい。同じ青をボタンやリンクに使えば、ユーザーは無意識のうちに「青=触れる」と理解できるようになる。
色は「装飾」ではなく「役割」で考える。
優先度の高い箇所にだけ使い、その他は白・黒・グレーをベースにしてバランスを取る。これがプライマリーカラーの本質です。
UIを観察するときも、ぜひこの視点で見てみてください。
「なぜこの色はここに使われているんだろう?」と考えるだけで、デザインの理解が一気に深まります。
色は、見た目を整えるためのものではなく、使いやすさを導くための設計要素なんです。
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