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ジュニアUI/UXデザイナーのためのスキルマップ - 貢献領域と成長の道筋
デザイン上達法

ジュニアUI/UXデザイナーのためのスキルマップ - 貢献領域と成長の道筋

2023
8
23
スキルを上げて、創造のための武器を手に入れよう
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1.この記事の全体像

スキルと貢献の道筋を定義してみます

この記事ではジュニアデザイナーがどう成長していくべきか?を考えるのと、BONOとして何をするべきか?を整理するために書きました。
デザインの範囲が広いと言われますが、全体で捉えるからです。全てに貢献できる人材は少ないですが、”じゃあ一般的に貢献する領域ってどういうところなの?”を明確にすることで自分の業務範囲や強みにしたいところなど、手触りをもって考えられるようになれると思います。

すごくまだまだ大雑把ではありますが、ないよりはある方が視界がクリアになると思ったので公開します。
大枠以下の内容が書かれています。

  1. ソフトウェアに関わるデザイナーのスキルマップと貢献する領域を定義してみる
  2. ジュニアデザイナーがまず身につけるべきこととその理由
  3. BONOとして何をしていくのか?

現場に入ったらまずどう成長するべき?を提示します

この記事を書く理由は現場に入ったデザイナーがどう成長していくのが良いのか?を考えるためです。まずやるべきことを、ゴールを”事業やサービスの成長に貢献する”ということにセットして定義していきます。

ちなみに対象はUI/UXデザイナーと呼ばれる、具体物も作るしユーザーの体験もデザインする人たちをベースに書きます。逆に、いわゆるUXデザインを専門にするなど”具体案までは考えない、実行にも責任を負わない”ような立ち回りは念頭に置いていません。

その考えでJuniorデザイナーがまず事業貢献するという観点でいうと**「スムーズな開発を実現する」「目的を達成するUIの形を素早く検証して実現する」**この2つです。どちらかができる、を自分の関わっている会社や事業フェーズに即して実行し、身につけることが大切です。全員が全員綺麗にこの中で定義している流れに沿うことはほぼ不可能だと思っています。その観点では地図ではなく羅針盤です。

ゆくゆくはどちらも基礎レベルぐらいは習得できるとミドルデザイナーとして活躍していると思います。この話を詳しくこのページでは書いていきます。

時代は変わります

AIがワークフローに入るのはもう当たり前になりつつあります。ただ今回の話を書くときはまだ本格的に何かを代替するレベルまで現場フローはAIが一般化はされていません。ただこの変化はもう数ヶ月以内に当たり前になるでしょう。

このように時代は変化するので、超具体的な部分を信じ続けるのではなく、”なぜこれが重要なのか?”という本質部分で理解し受け止めるようにしてください。時代が変わればやることも変わりますし、やらなくて良いことも増えます。

2.デザイナーのスキルマップ

この章の全体像

  • UI/UXデザイナー関連で習得すべきと言われるスキルを4年目以内のデザイナーぐらいで記します。5年目以上になると組織の話やCXOに行くためのビジネス×クリエイティブ的な話になりますがそこはカットしてます
  • まずは大枠キャリアの方向性を3タイプで分類したものを用意しています。これは別に縛られる必要はありません。大体こうなるのが多いよね。という話でしかないです。かなりざっくりですが、無いよりは「あ〜こういう領域での貢献があるのか」をわかりやすくすものです。もう1度言いますが縛られる必要はありません。
  • 次にスキルマップとして描いた地図を共有します。コアに基礎として身につけるべきものがあり、そのあとは現場や事業フェーズによって求められるスキルが変わるため、”地方”というマップにしています。順番関係なく必要な知識や興味のあるスキル地方を攻略して武器を得ていけば良い。という考えのもと、表などではなくマップとして描いています。

【大枠】2023年 デザイナー3タイプ

まず前提として、デザイナーは主にどういう領域に貢献することが多いのか?を共有したいと思います。この3つに決して縛られる必要はないです。そして組み合わせをすることで埋められないニーズに対応したり、”デザイナー”という枠を出ることで違う価値を提供する人物になることももちろんできます。

ただ、”デザイナー”という枠で考えると、大きく3つの方向性があるように思っています。

  1. 顧客に寄り添い継続して価値を享受できる体験を定義するデザイン
  2. エンジニアリングと連携し、効率よく統一されたUIを設計し、組織の開発効率に貢献するデザイン
  3. 認知/獲得フェーズで力を発揮し、サービスや機能、コンセプトの認知を、より魅力的で過不足ない状態で伝えるデザイン

あえて「〜〜デザイナー」という役職は書いていません。なぜならさまざまなスキルが横断的に、それぞれのタイプには使われます。かつ、必ず1つのタイプしか選べないということでもないです。わかりやすい言葉の定義というのは、採用やマーケティングなど伝播目線であえて区別した記号に過ぎません。

ちなみにこの3タイプは事業モデルによって重視されるもの変わります。例えば物販系のECだとソフトウェアではないので顧客との長期的なコミュニケーションが重視されますし、サブスク系のノートアプリなら継続して使いやすい、目的を達成するための品質が求められます。

1.顧客に寄り添い継続して価値を教授する体験を作るデザイン

いわゆるUI/UXデザインというやつだと思います。プロダクトデザインやサービスデザインという領域にも関わる部分です。BONOとカイクンが得意とするのはこの領域です。

ユーザーと事業を考えたときの価値を定義/理解し、そのゴールに向けてどのような顧客体験であるべきかを定義し、顧客がその体験を得られる具体的な形まで定義していきます。

筋トレに最適な焼き鳥屋を作るのであれば、コンセプト、メニュー設計、店内の導線設計など、すべての顧客接点(UI)を考え体験を作り、ユーザー価値をデザインします。

2.エンジニアリングと連携し、効率よく統一されたUIを設計し、組織の開発効率に貢献するデザイン

主にUIデザイン、UXエンジニア、デザインデベロッパーのような領域でしょうか。Figmaが目指す世界観に近いです。

デジタルの表現は結局コードの上に全てが乗っかっています。なのでそれを無視して考えることはできません。そのためシステマチックに表現の仕組みを作り、チームに普及させることで、迅速に体験を検証してプロトタイピングを行ったり、リリースをしたりすることで、顧客に届けるスピードと精度を高めることができます。またバグも減りやすくなるので開発工数の削減と本質的な開発に注力することの手助けにもなります。

この部分に貢献し、結果として良い事業を作りやすくするデザインです。焼き鳥屋で例えるなら、コストが極端に上がらない新メニュー開発の仕組みを作ったり、焼き鳥を焼く速度やストックの管理コストを下げ、品質をいつでも保つことで、焼き鳥屋の運営に貢献します。

3.認知/獲得フェーズで力を発揮し、自社サービスをより魅力的で過不足ない状態で伝えるデザイン

いわゆるコミュニケーションデザインと言われるようなフェーズです。Webサイトを作るデザインや、バナー、ブランドに関わるビジュアルを作るのはここに該当します。

ただかっこいいものを作って認知を集めるのではなく、既存顧客はどんなユーザーか?アプローチしたい潜在ユーザーはどんな顧客か?から逆算して伝えるべきことから設計していきます。そこで設計した考えを過不足なく顧客に届けるためのアウトプットをデザインすることにも責任を持つデザインです。

主にマーケティングと呼ばれる分野と連携することが多く、良い体験により継続率をあげるというより、まだ伝わってないこと伝えたいことを伝え、認知や獲得に貢献します。ブランド観点では継続した一貫したコミュニケーションを取ることでユーザーとの関係性を担保していく側面もデザインしていきます。

焼き鳥屋で例えると、どんな焼き鳥屋なのか?の価値を来店してない顧客に伝え興味を持ってもらうデザインを考えたり、新メニューを既存顧客や新規顧客に伝えたり、連続した店舗のあり方を伝えることでファンになる顧客を増やしたりしたことに貢献します。

UI/UXデザイナーのようなソフトウェアに関わるデザイナーは主に「1」か「2」に該当すると考えています。

ソフトウェアデザイナーのスキルマップの全体像

  1. 中心(写真1名目) : どのタイプもデジタル領域に関わるなら持っておくべき基礎スキル
  2. 各地方:さまざまなソフトウェアデザインに関わるスキル分野を散りばめ、貢献領域×スキルを分類しています
  3. 各スキルと貢献する領域(写真2名目) : デザインのフローに直した時に、どのスキルがどのフェーズで活躍するものなのかを示しています。

マップのFigjamはこちら

マップの見方 / 進め方

  • まずはコア領域である中心の”基礎の円”から着手してデザイナーとしてスキルの土台を作るのを推奨しています。そのあと、携わる業務内容など実践できる機会をベースに今の自分の中で伸ばすべき能力を考え、各地方領域を攻略していくのを想定しています。
  • 実践の機会が自分の強みを作る:土台を作りつつ、業務で必要なスキルの比重を自分のプロジェクトごとに考えて、各地方についてのスキルと知識と経験を深めていくのがリアルな働き方になると個人的には考えています。「自分はこういうデザインがしたい!」ももちろんアリです。ただなかなか見つけられないのと、自ら時間や機会を作る難易度もあるので、日々の業務をベースに力を伸ばしていくのが大半なのかなと考えています。今の職場が自分の求める業務やスキルでない場合は、場所を変えることをお勧めします。
  • なぜ土台作りが重要かというと、この土台が各スキルで活躍できる基礎能力になるためです。一見、関連が無いように見えますが、それぞれのスキルは1つのデザインフローの上に成り立っているので、関連しています。なので全ての土台になるベースのスキルをまず掴んでおくと各方面の攻略がやりやすくなります。
  • キャリアとしてどこを伸ばすのか?の答えにこの図はならないですが自分貢献したい領域や興味のある領域を認識する手助けになると考えています。

マップの中心:基礎について

ソフトウェアに関わるデザイナーとしてまず着手し、身につけておくとデザインを武器に立ち回りやすいと考える、基礎スキルです。後述する「基礎:ジュニアがやっとくと後が楽なこと」で詳しく書いていこうと思います。

各スキル(地方)について

貢献できる代表的な領域を地方という名前で分けています。必要な地方から旅に出ていくといいますし、興味と必要性がある限り地方を攻略して各地方にある武器を手に入れていくことでデザインスキルが上がっていきます(=貢献できる領域が広がります)

□ サービス地方:デジタルプロダクトデザインと顧客価値の発見と定義

  • いわゆる”サービスデザイン”や”プロダクトデザイン”、”UXデザイン”と呼ばれるような領域です。”サービスを成長"させるためにデザインで貢献します。主な部分としては顧客像を解像度高く理解し、顧客にとっての価値が何かを具体化し、サービス成長に貢献していくことになります。
  • そもそもサービスがどうやって成り立っているのか?を考えるために顧客のことだけではなく、ビジネスについてもある程度理解が必要です。顧客に価値を提供しつつ、ビジネスとしても成立させることで継続的に顧客に価値を届けることができます。
  • UXデザインと呼ばれるような、顧客理解、理解した顧客を軸に解決策を設計する力もここに入ります。
  • ソフトウェアに関わらず、状況が絶えず変化する現代で、”価値”をデザインするために重要度の高いスキル領域になると考えています。

□ UI地方:UIインタラクション

  • 目的や顧客にとって正しく機能するUIをデザインするためのスキル領域です。
  • ただUIを作るための知識だけではなく、”以下に検証しながら失敗確率を下げて顧客を理解しながらデザインするか”というプロトタイピングやリーンなプロダクト開発の考え方もここに必要になってきます。
  • またもちろん具体的なUIの形を定義し、目的を達成する操作をユーザーが行えるよう正しいUIを設計する知識や経験も入ってきます。

□ システム地方:UIのシステム化/効率化

  • エンジニアリングと設計し、UIの仕組み化を進めていくスキル領域です。主にデザインシステムの設計、ツール周りの組織最適化などを行うスキル領域です。
  • ユーザーにとっての価値を直接作れるスキル領域ではなく、エンジニアリングとデザインの融合により、組織の開発スピードに貢献することが多いと考えます。ドラクエで言うとスカラやスクルトを唱え、味方の素早さをアップさせる役割を担います。
  • 生成AIの時代を捉えると、デザインやコードの土台を仕組み化し効率化していくことは結果的に業務スピードや精度の向上に大きくつながり、メンバーが本質的に価値をデザインしていくことに時間を使うために重要だったりもします。

□ コミュニケーション地方:コミュニケーションデザイン

  • いわゆるグラフィックデザインやWebデザインに近いスキル領域です。主にユーザー獲得やサービス/機能認知に関わる部分を担うスキル領域になります。
  • ソフトウェアデザインで頻繁に使うことを少なく、マーケティング系の要素と連携して以下にユーザーにサービスの価値を認知してもらうのか?から逆算してクリエイティブ制作するようなスキルです。
  • 狭義でいうと一定のクオリティのスタイリングを整えるだけに見えるかもしれませんが、広くデザインを捉えると、そのサービスをどう顧客に認知してもらうのか?というブランドの部分から関わってデザインしていくことで、本質的価値への貢献ができるスキル領域です。
  • ソフトウェアを作る文脈とは切り離されていることが多い領域になります。

□ 人間力地方:社会人基礎力

  • デザイナーとして働く上で、また自分のスキルを向上させていく上で避けられないソフトスキル系の領域になります。デザイナーという肩書きから、あまりロジカルシンキングや構造化力などビジネスマンが必要とするスキルは無縁に思われますが、デザインを考えていく上でも、この領域のスキルはとても必要になります。(例えばアイデアを整理したり、顧客に対して機能するデザインアイデアを考える時の”整理する力”などがこれにあたります)
  • 全ての業務では人と関わっていくので、自分の考えを過不足なく伝えたり、業務進行上必要な情報を共有したりと、必ず必要になる領域です。デザイナーといえ、雇われている以上はサラリーマンであり、ビジネスに関わってる以上はビジネスマンです。全てのスキルの土台になる領域でしょう。
  • 少しズレる部分はありますが、デザイン組織作りや、マネージャー業などで人をみる力が必要になることもあるでしょう。それに必要なスキルもこの領域に含めてみたいと考えています。

スキルと役職

スキル領域だけでみては「この領域はいつどういう時に役に立つのか?」はよくイメージがつきません。

なので、デザインフローでいうとどこに該当するのか?を考えると、どのスキルを身につけると何ができるのか?のイメージが付きやすいです。
そのイメージを以下に貼っておきますのでチェックしてみてください。一般的に使われる役職のラベルはデザインの流れに直すと具体的に理解することができるのでおすすめです。

UI/UXデザインの進め方/流れの全体像についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

画像のFigjamはこちらです。

3.基礎:ジュニアがまず貢献すべきと考えること

晴れてデザイナーになった!現場に入ったぞ!やった!

となりますが、”え、デザイナーってめっちゃやること多いやん”と調べたり知っていけば行くほどなっていくと思います。リサーチしてアイデアも考えてUIも作るの?え、ビジネスもやらないといけないの?金くれ!!!それから考える!!

こんな方も多いでしょう。そのためこの章では、”サービス成長にデザインで貢献する”をゴールにとらえたときに一般的にはまず何から進めていくと良いのか?を定義しておきたいと思います。もちろん答えはないですし、現場によって求められることは変わりますが、土台のスキルを身につける意味でもまずはこれに貢献しよう!というものを定義することで、考える土台を作ってみたいと思います。

貢献する2つの領域。まずは1つからでOK。

このページの最初にも書きましたが、Juniorデザイナーがまず事業貢献するという観点でいうと**「スムーズな開発を実現する」「目的を達成するUIの形を素早く検証して実現する」**この2つです。どちらかができる、を自分の関わっている会社や事業フェーズに即して実行し、身につけることが大切です。

「目的を達成するUIの形を素早く検証し模索して実現する」

  • 事業目標を達成したい状態にデザインで貢献していきます。正しいUIを作るスキルを磨きながら、UIを大事にするのではなく、事業の先にいる顧客が何を求めているか?から逆算してUIをデザインすることを考えていきましょう。
  • そのため1つ目に、まずは正しいUIをデザインできるスキルを基礎レベルで磨いていくことが大事です。代表的な部分でいうと、マテリアルデザインのような体型的にまとまっているガイドラインをベースに、どのUIを作る時にも使えるUIの基礎概念を一通り習得しておくと良いでしょう。機能に対して正しいUIのアイデアを出しやすくなります。
  • もう1つは仮説検証のスキルです。結果にコミットする上で、ビジネスまでいきなり考えるのは難しいでしょう。なので、達成したい状態に向かうために、UIを細かく作ったり、リリース前に検証したりテストしたりを通して、顧客の声をベースに課題に対して正しくUIを作れているのか?をチームで考えながら取り組むやり方を身につけましょう。これを磨くことで目的に対してデザインするスキルも身につきます。PdMなどと協力して、顧客に届くUIの形を素早く正確にチームで模索する業務フローを身につけましょう。
  • これらをやるために、ビジネス的な側面で、”自分がデザインする要素が、サービスの何に貢献するのか?”というプロダクトデザインのモデル理解も重要になってきます。

「スムーズな開発を実現する」

  • エンジニアリングはデザインより複雑なため、エンジニアの数の方がデザイナーより必然的に多くなります。そのためデザイン→エンジニアリングの連携の効率が高いほど、速くスムーズな開発が可能になり結果として顧客に価値をうまく届けやすくなります。
  • そのためデザインデータやデザインアイデアがエンジニアリング可能かつシンプルに実装できる形で、最大の効果や見た目を担保できる状態が理想になります。理想までいかなくて良いですが、デザインのことをうまくエンジニアに伝えたり、エンジニアリングが困らないUI設計ができることで、顧客にとっても使いやすいプロダクトをデザインすることに繋がります
  • コードを介したフロント実装についての基本的な知識を得たり、UIの状態管理について学んだり、エンジニア目線でのコミュニケーションのしやすさ、デザインシステムについて学ぶことによりデザインと開発の連携に貢献します。

基礎スキル - デザイナー基礎力として身につけておきたい

□ グラフィック基礎

  • あまり任せられることはないかもしれませんが、バナーやLPなどのデジタル媒体のグラフィックアウトプットを作る技術が平均値より高いと、自信もって”デザイン”の仕事をいろいろ引き受けられますし、自分でよしなにやる能力もデザイン面で身につくと思います。
  • UIの練度や見る目にも直結するので一概に関係ないとは言えない(というか結構関係ある😂
  • なので世の中の中の上ぐらいのバナーやLPのクオリティのものは1-2年かけてコツコツ作れるようになっていくと良いと思います。
  • 基本的にはUIと同じで、世の中で”見た目のクオリティが高い”と言われるバナーやLPはパターンがあります。バナーは難しいですが、LPに関してはWebギャラリーサイトがあるのでそれを毎日見てビジュアルの目を養うことはマストでやりましょう。
  • トレーニングに関しては、自分が良いと思う、世の中的にもいけてるサービス(ITに限らない)が出しているリリースのアイキャッチなどを集めてそのクオリティに近いアウトプットを作りましょう。例えば自分のポートフォリオサイトを作る、自分のブログのサムネイルに無駄にこだわりまくる。こういう作る機会1つ1つを大事にすることで余分に時間を取らずに集中してトレーニングできます。

□ 仮説検証基礎

  • 現場でサービスに関わることが9割なUI/UXデザインにおいて、仮説検証の考え方を身につけて価値をデザインしていくスキルを高めることは大切です。
  • 要件をデザインに落とすだけはかなり楽です。ただそれでは委託された作業者になってしまいますし、チームにもなってません。サービスに関わる現場に入ったのであれば、PdMやエンジニアメンバーと協力して”そもそもどうやると今解決したい課題や上げたい数字を伸ばせるのか?”をデザイナーも考え議論に参加していけるようになりましょう。
  • スキルでいうとプロトタイピングの考え方と実行や、ユーザビリティテスト、リーンスタートアップ的なプロダクト開発フローを理解して実践に取り入れていくことになります。

□ 基本UIパターン基礎

  • UIデザインを任せられるということは、他の人よりUIに詳しく責任を持てなければなりません。その意味で”世の中的な一般的なUI”をしっかり把握しておくことは大切です。
  • どうすれば良いの?という時に”ガイドライン読め読めおじさん”の登場です。俗にいうガイドライン読めのガイドラインはマテリアルデザインとHIGになります。どちらも固有OSのために作られたものですが、定義がしっかり解説されていて、ブラウザのUIにも活かせるエッセンスをまとめて理解する教科書的存在になっています。
  • まずはガイドラインの読み方を理解し、基本コンポーネント/ UIパターンから、色や階層のシステムまで理解をしていきましょう。また業務中に迷うことは大体ガイドラインにまとまっているのでそれを参照してデザインしていくことで日々の業務の中でも基礎UI理解を深めることが可能になります。

□ プロダクトデザイン基礎

  • 仮説検証ととても関連する項目でプロダクトデザインの基礎理解が重要です。プロダクトデザイン理解と言えば広くなるのでここでは”プロダクトがどういうビジネスで成り立っていて、自分たちのユーザーはどういう流れでサービスを利用し、どこで価値を感じるから継続し、お金を落とす”のでサービスが成り立つ。といったモデルを理解するというのが1つ基礎としてあります。
  • また、プロダクト改善をする上での一般的な考え方、KPIの立て方、コホート、とUIの関係性についても基礎理解することで、自分の行うデザインがどう事業に、顧客に影響を及ぼすのか?という視点を得られやすくなります。そうなることでただ見た目を作るだけでなく、顧客に届く価値をデザインするという視点を持ちやすくなり、事業貢献しやすくなります。

□ コード理解基礎

  • デジタル媒体でデザインをする以上、コードと接することはなかなか避けることはできません。特にソフトウェアに関わるデザインをする上では避けては通れないでしょう。
  • そのため”基本的にコード上で見た目の調整はどのようにされているのか?”、”どのように見た目をコードで組んでいるのか?”、”そもそもサービスはどのような仕組みで情報を表示しているのか”といったことを実際にコードを書きながら理解しておくことで、エンジニアサイドとのコミュニケーションだけではなく、業界の変化や新しい知識に対しての抵抗感もなくなり、デジタル領域で活躍する確率が上がると考えています。
  • 何も自分で全て書ける必要はなく、1度体験してどういうもので仕組み化?を自分で経験しておくだけでコードがどう動いているのか?を理解することはできるでしょう。

□ デザインシステム基礎

  • ソフトウェアは作る画面が膨大で、またシステムで成り立っているため、1つ1つオリジナルで作るのではなく仕組み化して、共通化して成り立っています。そうすることで素早く機能開発や改善を行い素早く、またバグなく安定して顧客に価値を届けることができます。
  • そのためにデザインシステムが存在します。デザインシステムを作る理由、どういう意味があるのか?どういう設定をするのが一般的なのか?を理解しておくことでエンジニアさんとの連携を簡単にしておくことでチーム貢献できるデザインをやりやすくなります。

基礎を身につけてまずは目指したい状態とは

施策や仕様がユーザーに届く確率を上げるため、検証/テストを使い、顧客目線で良いデザインの定義を行う

■ 役割

ただ言われたUIを作るだけではなく、目的を達成するために最適なUIをPdMを中心に協力して早い段階から検討していき、施策の成功角度を上げていくことに貢献します。

手法としてはUIパターン出し、ユーザビリティテスト、プロトタイピングといったものを使って、**仕様が組まれた早い段階から具体物と一緒に仕様の妥当性を検討していくことに貢献します。**つまり良いUIとは、具体物が良いだけではなく、ちゃんと顧客に届く形になっているのか?そのアイデアを考える段階からデザインしていくことを行えるレベルになります。

まず現場に入ったばかりのソフトウェアに関わるデザイナーはこのレベルを目指していくことが、本当のデザイナーになるための1歩になります。

■ 関わる対象

チーム。PdMと協業して仕様から一緒に考えていくことに貢献しましょう。また開発チームとも早めにUIを共有してどんな開発になりそうか?このUI仕様で大丈夫か?を議論して固めていく動きをとります。

■ スキル

○ インタラクションデザイン

特に基本的なUIパターンを抑えていることが求められます。UIを構成する3つの要素アクション、ナビゲーション、コンテンツ、それぞれの基本的なUIパターンを習得することで、正しい要件に対して正しいUIを作る確率が増えます。

またユーザーの状態や機能を使うユースケースを考慮して、表示する必要のある情報を整理したりなどして、UIの要件定義をしながら、施策の仕様についてチームで議論するために動きます。

○ 仮説検証スキル

UIをいきなり固めるのではなく、パターンを作りながら検討して施策で実現したい結果と顧客の求めているものが合致するUIを考えていく必要があります。早めにプロトタイプを作り社内で触ってもらい批評の観点を得る(ドッグフーディンぐetc)や、ユーザーに触ってもらいきちんと目的に合致する操作をできるのかをテスト(ユーザビリティテスト)したりが必要です。

具体を作れるデザインスキルをもとに、早めに情報を集めて正しい方向で施策を成功に導ける検証スキルが必要になります

※顧客思考

中心ではないですが、顧客思考で顧客を軸にした解決策、デザインアイデアを組み立てる能力も必要です。

■ 具体的な仕事

仮設検証とデザイン制作という抽象度にするとあらゆる仕事が当てはまります。

例えばある機能を改善しよう!という施策であれば”改善するに当たって得たい結果=目的”が存在します。その目的を達成するため、解決すべき課題(原因)は何か?原因を解決するための具体的な形(UIなど)はどうか?を考える段階からPdM/ディレクター、エンジニアなどと一緒に議論していきます。

実際に早めにラフな状態のプロトタイプを作り社内で最適な形や重要な部分を議論したり、ユーザーに触ってもらってアイデアを検討したり。リリース後の結果から学びを得て、それを次のアイデアに繋げてデザインをしたりといったサイクルを自分で回し、チームで回すことに貢献します。

例えばマーケの獲得試作でバナーやLPを作成、改善するプロジェクトでも同様のことをイメージすることはできます。新機能、新規リリースでも同様です。

■ 身につけること

作るだけのデザインではなく、どう立ち回るか?どう進めていくと”より良いアイデア、方向性、コンセプト”の元に”デザイン”ができるか?を進めるスキルが必要です。

仮説検証スキルでは、ユーザビリティテストのやり方や目的や設計、価値検証ではそもそも価値とは?目的の設定の方法は?などの思考を身につけ、実践する、チームで議論するというのが必要です。

これらはLeanUXという本に代表される、スタートアップ的な価値づくりの開発フローにもなります。

方向性を定めた後は、それを正しく実現するための造形力が必要です。UIでいうとインタラクションデザインに当てはまる、UIの基本パターン理解と造形力や、過不足なく目的やユースケースに沿った情報を定義できる構造化のスキル、素早くラフを作りテストするプロトタイピングのスキルが必要になります。

4.BONOとして目指すこと

価値をクリエイション(創る)する人を増やしたい

BONOとしてはどうしていきたいのか?

全てカバーしてくれるんですか?でいうと流石に難しいなと感じます笑

僕の興味を考えた時にBONOで目指したい姿を定義すると「価値(ユーザーがポジティブに変化する変化量)」をデザインする人だと考えています。例えば、自分でサービスを作りたいと思うのあればそれをはじめられるデザイン人材で居てほしいと思いますし、現場で不満があるなら自ら流れを変えてデザインを武器に実行できる人材で居てほしいと思います。

UIデザインするとなったら、UIだけこだわってたら”良いプロダクトになるのか”でいうと明らかにNOです。ユーザーが受ける変化量が変わらなければ、どれだけ使いやすくなってもTooMuchになります。無駄ではないですが本質でないと僕は考えます。

“デザイナー”という肩書きに拘らずに、デザインという武器を手にして自分が望む方に、世の中の良い方に舵を切れる機会と武器開発をするきっかけを作る場所がBONOだと考えています。そのためには”見た目を作る”という狭い視野を飛び出していかねばなりません(むずかちい)

すでに海外で流行っているものを日本に届けるのもいいですが、どれだけ小さい領域でも大きな領域でも、変化できてない人たちの変化を助けるための仕組みを創る。そういう方が僕は人間らしいし、人に寄り添って存在するデザインの価値としては正しいのかなと思っています。

強い個を作る

とはいえ2年ほどBONOをやってみて、デザインのことだけ覚えれば良いデザインができるようになるわけではないことに気づきました。そもそものその人が持っている洞察力や言語化力、伝える力、人間性などがベースで、同じことをやっていても成長率が変わることがわかりました。

それに僕が書いたのは超理想です。その前に自分の生活をなんとかする、という生存的な欲求を求める人が大多数なのもBONOをやって感じたことです。

なのでまずは自ら学んで自ら失敗し自ら機会を創るをデザインを武器にして行う人を増やすというのもBONOとしてはやりたいことです。そのためには狭い理解ではなく、広いデザイン領域の理解と、自分で考え答えを定義し実行して学ぶプロセスをインストールする必要があると考えています。

かつどの現場でも”価値”が何でそのために”今何をすべきか?を問われます。これを常に解像度高く持ち整理しながら、デザインができる人はどこに行っても重宝されます。なぜなら自ら考えてデザインをしているし、現場のメンバーと最上の目的に対して議論しながら進めることができるためです。

そういう部分も含めてこれから紹介するスキルの定義とステップをこれからもブラッシュアップしていきたと考えています。

とはいえまずは現場でマストで必要なことからはじめたいと思います。

価値を創る人は壮大ですが、いきなり目指すにはなかなかハードルが高い。なので2023年から1年ぐらいは現場に入った人がより活躍できる場所づくりを進めていきたいと思います。ちなみに今回定義した、「まずやっとくべき基礎スキル」はデザインを武器に価値を創る際にも必須なので実は全くズレてないと個人的には思っています。ベースには”価値”のためがあり、フロントでは”現場でやっとくべき”というラベルになっている。ただやってみると方向性が明らかになり、感じることができるような体験をしていきたいと思います。

おそらくAI活用も現場では普通になるでしょう。そうなるとここで綴ったことも割と変化を求められてくると思います。個人でやっている分、舵は切りやすいので、UIとかUXとかそういうつまらない枠にとらわれずに”デザイン”をフルで活用して、楽しい世の中をつくる人を増やしていきたいと思います。

1.この記事の全体像

スキルと貢献の道筋を定義してみます

この記事ではジュニアデザイナーがどう成長していくべきか?を考えるのと、BONOとして何をするべきか?を整理するために書きました。
デザインの範囲が広いと言われますが、全体で捉えるからです。全てに貢献できる人材は少ないですが、”じゃあ一般的に貢献する領域ってどういうところなの?”を明確にすることで自分の業務範囲や強みにしたいところなど、手触りをもって考えられるようになれると思います。

すごくまだまだ大雑把ではありますが、ないよりはある方が視界がクリアになると思ったので公開します。
大枠以下の内容が書かれています。

  1. ソフトウェアに関わるデザイナーのスキルマップと貢献する領域を定義してみる
  2. ジュニアデザイナーがまず身につけるべきこととその理由
  3. BONOとして何をしていくのか?

現場に入ったらまずどう成長するべき?を提示します

この記事を書く理由は現場に入ったデザイナーがどう成長していくのが良いのか?を考えるためです。まずやるべきことを、ゴールを”事業やサービスの成長に貢献する”ということにセットして定義していきます。

ちなみに対象はUI/UXデザイナーと呼ばれる、具体物も作るしユーザーの体験もデザインする人たちをベースに書きます。逆に、いわゆるUXデザインを専門にするなど”具体案までは考えない、実行にも責任を負わない”ような立ち回りは念頭に置いていません。

その考えでJuniorデザイナーがまず事業貢献するという観点でいうと**「スムーズな開発を実現する」「目的を達成するUIの形を素早く検証して実現する」**この2つです。どちらかができる、を自分の関わっている会社や事業フェーズに即して実行し、身につけることが大切です。全員が全員綺麗にこの中で定義している流れに沿うことはほぼ不可能だと思っています。その観点では地図ではなく羅針盤です。

ゆくゆくはどちらも基礎レベルぐらいは習得できるとミドルデザイナーとして活躍していると思います。この話を詳しくこのページでは書いていきます。

時代は変わります

AIがワークフローに入るのはもう当たり前になりつつあります。ただ今回の話を書くときはまだ本格的に何かを代替するレベルまで現場フローはAIが一般化はされていません。ただこの変化はもう数ヶ月以内に当たり前になるでしょう。

このように時代は変化するので、超具体的な部分を信じ続けるのではなく、”なぜこれが重要なのか?”という本質部分で理解し受け止めるようにしてください。時代が変わればやることも変わりますし、やらなくて良いことも増えます。

2.デザイナーのスキルマップ

この章の全体像

  • UI/UXデザイナー関連で習得すべきと言われるスキルを4年目以内のデザイナーぐらいで記します。5年目以上になると組織の話やCXOに行くためのビジネス×クリエイティブ的な話になりますがそこはカットしてます
  • まずは大枠キャリアの方向性を3タイプで分類したものを用意しています。これは別に縛られる必要はありません。大体こうなるのが多いよね。という話でしかないです。かなりざっくりですが、無いよりは「あ〜こういう領域での貢献があるのか」をわかりやすくすものです。もう1度言いますが縛られる必要はありません。
  • 次にスキルマップとして描いた地図を共有します。コアに基礎として身につけるべきものがあり、そのあとは現場や事業フェーズによって求められるスキルが変わるため、”地方”というマップにしています。順番関係なく必要な知識や興味のあるスキル地方を攻略して武器を得ていけば良い。という考えのもと、表などではなくマップとして描いています。

【大枠】2023年 デザイナー3タイプ

まず前提として、デザイナーは主にどういう領域に貢献することが多いのか?を共有したいと思います。この3つに決して縛られる必要はないです。そして組み合わせをすることで埋められないニーズに対応したり、”デザイナー”という枠を出ることで違う価値を提供する人物になることももちろんできます。

ただ、”デザイナー”という枠で考えると、大きく3つの方向性があるように思っています。

  1. 顧客に寄り添い継続して価値を享受できる体験を定義するデザイン
  2. エンジニアリングと連携し、効率よく統一されたUIを設計し、組織の開発効率に貢献するデザイン
  3. 認知/獲得フェーズで力を発揮し、サービスや機能、コンセプトの認知を、より魅力的で過不足ない状態で伝えるデザイン

あえて「〜〜デザイナー」という役職は書いていません。なぜならさまざまなスキルが横断的に、それぞれのタイプには使われます。かつ、必ず1つのタイプしか選べないということでもないです。わかりやすい言葉の定義というのは、採用やマーケティングなど伝播目線であえて区別した記号に過ぎません。

ちなみにこの3タイプは事業モデルによって重視されるもの変わります。例えば物販系のECだとソフトウェアではないので顧客との長期的なコミュニケーションが重視されますし、サブスク系のノートアプリなら継続して使いやすい、目的を達成するための品質が求められます。

1.顧客に寄り添い継続して価値を教授する体験を作るデザイン

いわゆるUI/UXデザインというやつだと思います。プロダクトデザインやサービスデザインという領域にも関わる部分です。BONOとカイクンが得意とするのはこの領域です。

ユーザーと事業を考えたときの価値を定義/理解し、そのゴールに向けてどのような顧客体験であるべきかを定義し、顧客がその体験を得られる具体的な形まで定義していきます。

筋トレに最適な焼き鳥屋を作るのであれば、コンセプト、メニュー設計、店内の導線設計など、すべての顧客接点(UI)を考え体験を作り、ユーザー価値をデザインします。

2.エンジニアリングと連携し、効率よく統一されたUIを設計し、組織の開発効率に貢献するデザイン

主にUIデザイン、UXエンジニア、デザインデベロッパーのような領域でしょうか。Figmaが目指す世界観に近いです。

デジタルの表現は結局コードの上に全てが乗っかっています。なのでそれを無視して考えることはできません。そのためシステマチックに表現の仕組みを作り、チームに普及させることで、迅速に体験を検証してプロトタイピングを行ったり、リリースをしたりすることで、顧客に届けるスピードと精度を高めることができます。またバグも減りやすくなるので開発工数の削減と本質的な開発に注力することの手助けにもなります。

この部分に貢献し、結果として良い事業を作りやすくするデザインです。焼き鳥屋で例えるなら、コストが極端に上がらない新メニュー開発の仕組みを作ったり、焼き鳥を焼く速度やストックの管理コストを下げ、品質をいつでも保つことで、焼き鳥屋の運営に貢献します。

3.認知/獲得フェーズで力を発揮し、自社サービスをより魅力的で過不足ない状態で伝えるデザイン

いわゆるコミュニケーションデザインと言われるようなフェーズです。Webサイトを作るデザインや、バナー、ブランドに関わるビジュアルを作るのはここに該当します。

ただかっこいいものを作って認知を集めるのではなく、既存顧客はどんなユーザーか?アプローチしたい潜在ユーザーはどんな顧客か?から逆算して伝えるべきことから設計していきます。そこで設計した考えを過不足なく顧客に届けるためのアウトプットをデザインすることにも責任を持つデザインです。

主にマーケティングと呼ばれる分野と連携することが多く、良い体験により継続率をあげるというより、まだ伝わってないこと伝えたいことを伝え、認知や獲得に貢献します。ブランド観点では継続した一貫したコミュニケーションを取ることでユーザーとの関係性を担保していく側面もデザインしていきます。

焼き鳥屋で例えると、どんな焼き鳥屋なのか?の価値を来店してない顧客に伝え興味を持ってもらうデザインを考えたり、新メニューを既存顧客や新規顧客に伝えたり、連続した店舗のあり方を伝えることでファンになる顧客を増やしたりしたことに貢献します。

UI/UXデザイナーのようなソフトウェアに関わるデザイナーは主に「1」か「2」に該当すると考えています。

ソフトウェアデザイナーのスキルマップの全体像

  1. 中心(写真1名目) : どのタイプもデジタル領域に関わるなら持っておくべき基礎スキル
  2. 各地方:さまざまなソフトウェアデザインに関わるスキル分野を散りばめ、貢献領域×スキルを分類しています
  3. 各スキルと貢献する領域(写真2名目) : デザインのフローに直した時に、どのスキルがどのフェーズで活躍するものなのかを示しています。

マップのFigjamはこちら

マップの見方 / 進め方

  • まずはコア領域である中心の”基礎の円”から着手してデザイナーとしてスキルの土台を作るのを推奨しています。そのあと、携わる業務内容など実践できる機会をベースに今の自分の中で伸ばすべき能力を考え、各地方領域を攻略していくのを想定しています。
  • 実践の機会が自分の強みを作る:土台を作りつつ、業務で必要なスキルの比重を自分のプロジェクトごとに考えて、各地方についてのスキルと知識と経験を深めていくのがリアルな働き方になると個人的には考えています。「自分はこういうデザインがしたい!」ももちろんアリです。ただなかなか見つけられないのと、自ら時間や機会を作る難易度もあるので、日々の業務をベースに力を伸ばしていくのが大半なのかなと考えています。今の職場が自分の求める業務やスキルでない場合は、場所を変えることをお勧めします。
  • なぜ土台作りが重要かというと、この土台が各スキルで活躍できる基礎能力になるためです。一見、関連が無いように見えますが、それぞれのスキルは1つのデザインフローの上に成り立っているので、関連しています。なので全ての土台になるベースのスキルをまず掴んでおくと各方面の攻略がやりやすくなります。
  • キャリアとしてどこを伸ばすのか?の答えにこの図はならないですが自分貢献したい領域や興味のある領域を認識する手助けになると考えています。

マップの中心:基礎について

ソフトウェアに関わるデザイナーとしてまず着手し、身につけておくとデザインを武器に立ち回りやすいと考える、基礎スキルです。後述する「基礎:ジュニアがやっとくと後が楽なこと」で詳しく書いていこうと思います。

各スキル(地方)について

貢献できる代表的な領域を地方という名前で分けています。必要な地方から旅に出ていくといいますし、興味と必要性がある限り地方を攻略して各地方にある武器を手に入れていくことでデザインスキルが上がっていきます(=貢献できる領域が広がります)

□ サービス地方:デジタルプロダクトデザインと顧客価値の発見と定義

  • いわゆる”サービスデザイン”や”プロダクトデザイン”、”UXデザイン”と呼ばれるような領域です。”サービスを成長"させるためにデザインで貢献します。主な部分としては顧客像を解像度高く理解し、顧客にとっての価値が何かを具体化し、サービス成長に貢献していくことになります。
  • そもそもサービスがどうやって成り立っているのか?を考えるために顧客のことだけではなく、ビジネスについてもある程度理解が必要です。顧客に価値を提供しつつ、ビジネスとしても成立させることで継続的に顧客に価値を届けることができます。
  • UXデザインと呼ばれるような、顧客理解、理解した顧客を軸に解決策を設計する力もここに入ります。
  • ソフトウェアに関わらず、状況が絶えず変化する現代で、”価値”をデザインするために重要度の高いスキル領域になると考えています。

□ UI地方:UIインタラクション

  • 目的や顧客にとって正しく機能するUIをデザインするためのスキル領域です。
  • ただUIを作るための知識だけではなく、”以下に検証しながら失敗確率を下げて顧客を理解しながらデザインするか”というプロトタイピングやリーンなプロダクト開発の考え方もここに必要になってきます。
  • またもちろん具体的なUIの形を定義し、目的を達成する操作をユーザーが行えるよう正しいUIを設計する知識や経験も入ってきます。

□ システム地方:UIのシステム化/効率化

  • エンジニアリングと設計し、UIの仕組み化を進めていくスキル領域です。主にデザインシステムの設計、ツール周りの組織最適化などを行うスキル領域です。
  • ユーザーにとっての価値を直接作れるスキル領域ではなく、エンジニアリングとデザインの融合により、組織の開発スピードに貢献することが多いと考えます。ドラクエで言うとスカラやスクルトを唱え、味方の素早さをアップさせる役割を担います。
  • 生成AIの時代を捉えると、デザインやコードの土台を仕組み化し効率化していくことは結果的に業務スピードや精度の向上に大きくつながり、メンバーが本質的に価値をデザインしていくことに時間を使うために重要だったりもします。

□ コミュニケーション地方:コミュニケーションデザイン

  • いわゆるグラフィックデザインやWebデザインに近いスキル領域です。主にユーザー獲得やサービス/機能認知に関わる部分を担うスキル領域になります。
  • ソフトウェアデザインで頻繁に使うことを少なく、マーケティング系の要素と連携して以下にユーザーにサービスの価値を認知してもらうのか?から逆算してクリエイティブ制作するようなスキルです。
  • 狭義でいうと一定のクオリティのスタイリングを整えるだけに見えるかもしれませんが、広くデザインを捉えると、そのサービスをどう顧客に認知してもらうのか?というブランドの部分から関わってデザインしていくことで、本質的価値への貢献ができるスキル領域です。
  • ソフトウェアを作る文脈とは切り離されていることが多い領域になります。

□ 人間力地方:社会人基礎力

  • デザイナーとして働く上で、また自分のスキルを向上させていく上で避けられないソフトスキル系の領域になります。デザイナーという肩書きから、あまりロジカルシンキングや構造化力などビジネスマンが必要とするスキルは無縁に思われますが、デザインを考えていく上でも、この領域のスキルはとても必要になります。(例えばアイデアを整理したり、顧客に対して機能するデザインアイデアを考える時の”整理する力”などがこれにあたります)
  • 全ての業務では人と関わっていくので、自分の考えを過不足なく伝えたり、業務進行上必要な情報を共有したりと、必ず必要になる領域です。デザイナーといえ、雇われている以上はサラリーマンであり、ビジネスに関わってる以上はビジネスマンです。全てのスキルの土台になる領域でしょう。
  • 少しズレる部分はありますが、デザイン組織作りや、マネージャー業などで人をみる力が必要になることもあるでしょう。それに必要なスキルもこの領域に含めてみたいと考えています。

スキルと役職

スキル領域だけでみては「この領域はいつどういう時に役に立つのか?」はよくイメージがつきません。

なので、デザインフローでいうとどこに該当するのか?を考えると、どのスキルを身につけると何ができるのか?のイメージが付きやすいです。
そのイメージを以下に貼っておきますのでチェックしてみてください。一般的に使われる役職のラベルはデザインの流れに直すと具体的に理解することができるのでおすすめです。

UI/UXデザインの進め方/流れの全体像についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

画像のFigjamはこちらです。

3.基礎:ジュニアがまず貢献すべきと考えること

晴れてデザイナーになった!現場に入ったぞ!やった!

となりますが、”え、デザイナーってめっちゃやること多いやん”と調べたり知っていけば行くほどなっていくと思います。リサーチしてアイデアも考えてUIも作るの?え、ビジネスもやらないといけないの?金くれ!!!それから考える!!

こんな方も多いでしょう。そのためこの章では、”サービス成長にデザインで貢献する”をゴールにとらえたときに一般的にはまず何から進めていくと良いのか?を定義しておきたいと思います。もちろん答えはないですし、現場によって求められることは変わりますが、土台のスキルを身につける意味でもまずはこれに貢献しよう!というものを定義することで、考える土台を作ってみたいと思います。

貢献する2つの領域。まずは1つからでOK。

このページの最初にも書きましたが、Juniorデザイナーがまず事業貢献するという観点でいうと**「スムーズな開発を実現する」「目的を達成するUIの形を素早く検証して実現する」**この2つです。どちらかができる、を自分の関わっている会社や事業フェーズに即して実行し、身につけることが大切です。

「目的を達成するUIの形を素早く検証し模索して実現する」

  • 事業目標を達成したい状態にデザインで貢献していきます。正しいUIを作るスキルを磨きながら、UIを大事にするのではなく、事業の先にいる顧客が何を求めているか?から逆算してUIをデザインすることを考えていきましょう。
  • そのため1つ目に、まずは正しいUIをデザインできるスキルを基礎レベルで磨いていくことが大事です。代表的な部分でいうと、マテリアルデザインのような体型的にまとまっているガイドラインをベースに、どのUIを作る時にも使えるUIの基礎概念を一通り習得しておくと良いでしょう。機能に対して正しいUIのアイデアを出しやすくなります。
  • もう1つは仮説検証のスキルです。結果にコミットする上で、ビジネスまでいきなり考えるのは難しいでしょう。なので、達成したい状態に向かうために、UIを細かく作ったり、リリース前に検証したりテストしたりを通して、顧客の声をベースに課題に対して正しくUIを作れているのか?をチームで考えながら取り組むやり方を身につけましょう。これを磨くことで目的に対してデザインするスキルも身につきます。PdMなどと協力して、顧客に届くUIの形を素早く正確にチームで模索する業務フローを身につけましょう。
  • これらをやるために、ビジネス的な側面で、”自分がデザインする要素が、サービスの何に貢献するのか?”というプロダクトデザインのモデル理解も重要になってきます。

「スムーズな開発を実現する」

  • エンジニアリングはデザインより複雑なため、エンジニアの数の方がデザイナーより必然的に多くなります。そのためデザイン→エンジニアリングの連携の効率が高いほど、速くスムーズな開発が可能になり結果として顧客に価値をうまく届けやすくなります。
  • そのためデザインデータやデザインアイデアがエンジニアリング可能かつシンプルに実装できる形で、最大の効果や見た目を担保できる状態が理想になります。理想までいかなくて良いですが、デザインのことをうまくエンジニアに伝えたり、エンジニアリングが困らないUI設計ができることで、顧客にとっても使いやすいプロダクトをデザインすることに繋がります
  • コードを介したフロント実装についての基本的な知識を得たり、UIの状態管理について学んだり、エンジニア目線でのコミュニケーションのしやすさ、デザインシステムについて学ぶことによりデザインと開発の連携に貢献します。

基礎スキル - デザイナー基礎力として身につけておきたい

□ グラフィック基礎

  • あまり任せられることはないかもしれませんが、バナーやLPなどのデジタル媒体のグラフィックアウトプットを作る技術が平均値より高いと、自信もって”デザイン”の仕事をいろいろ引き受けられますし、自分でよしなにやる能力もデザイン面で身につくと思います。
  • UIの練度や見る目にも直結するので一概に関係ないとは言えない(というか結構関係ある😂
  • なので世の中の中の上ぐらいのバナーやLPのクオリティのものは1-2年かけてコツコツ作れるようになっていくと良いと思います。
  • 基本的にはUIと同じで、世の中で”見た目のクオリティが高い”と言われるバナーやLPはパターンがあります。バナーは難しいですが、LPに関してはWebギャラリーサイトがあるのでそれを毎日見てビジュアルの目を養うことはマストでやりましょう。
  • トレーニングに関しては、自分が良いと思う、世の中的にもいけてるサービス(ITに限らない)が出しているリリースのアイキャッチなどを集めてそのクオリティに近いアウトプットを作りましょう。例えば自分のポートフォリオサイトを作る、自分のブログのサムネイルに無駄にこだわりまくる。こういう作る機会1つ1つを大事にすることで余分に時間を取らずに集中してトレーニングできます。

□ 仮説検証基礎

  • 現場でサービスに関わることが9割なUI/UXデザインにおいて、仮説検証の考え方を身につけて価値をデザインしていくスキルを高めることは大切です。
  • 要件をデザインに落とすだけはかなり楽です。ただそれでは委託された作業者になってしまいますし、チームにもなってません。サービスに関わる現場に入ったのであれば、PdMやエンジニアメンバーと協力して”そもそもどうやると今解決したい課題や上げたい数字を伸ばせるのか?”をデザイナーも考え議論に参加していけるようになりましょう。
  • スキルでいうとプロトタイピングの考え方と実行や、ユーザビリティテスト、リーンスタートアップ的なプロダクト開発フローを理解して実践に取り入れていくことになります。

□ 基本UIパターン基礎

  • UIデザインを任せられるということは、他の人よりUIに詳しく責任を持てなければなりません。その意味で”世の中的な一般的なUI”をしっかり把握しておくことは大切です。
  • どうすれば良いの?という時に”ガイドライン読め読めおじさん”の登場です。俗にいうガイドライン読めのガイドラインはマテリアルデザインとHIGになります。どちらも固有OSのために作られたものですが、定義がしっかり解説されていて、ブラウザのUIにも活かせるエッセンスをまとめて理解する教科書的存在になっています。
  • まずはガイドラインの読み方を理解し、基本コンポーネント/ UIパターンから、色や階層のシステムまで理解をしていきましょう。また業務中に迷うことは大体ガイドラインにまとまっているのでそれを参照してデザインしていくことで日々の業務の中でも基礎UI理解を深めることが可能になります。

□ プロダクトデザイン基礎

  • 仮説検証ととても関連する項目でプロダクトデザインの基礎理解が重要です。プロダクトデザイン理解と言えば広くなるのでここでは”プロダクトがどういうビジネスで成り立っていて、自分たちのユーザーはどういう流れでサービスを利用し、どこで価値を感じるから継続し、お金を落とす”のでサービスが成り立つ。といったモデルを理解するというのが1つ基礎としてあります。
  • また、プロダクト改善をする上での一般的な考え方、KPIの立て方、コホート、とUIの関係性についても基礎理解することで、自分の行うデザインがどう事業に、顧客に影響を及ぼすのか?という視点を得られやすくなります。そうなることでただ見た目を作るだけでなく、顧客に届く価値をデザインするという視点を持ちやすくなり、事業貢献しやすくなります。

□ コード理解基礎

  • デジタル媒体でデザインをする以上、コードと接することはなかなか避けることはできません。特にソフトウェアに関わるデザインをする上では避けては通れないでしょう。
  • そのため”基本的にコード上で見た目の調整はどのようにされているのか?”、”どのように見た目をコードで組んでいるのか?”、”そもそもサービスはどのような仕組みで情報を表示しているのか”といったことを実際にコードを書きながら理解しておくことで、エンジニアサイドとのコミュニケーションだけではなく、業界の変化や新しい知識に対しての抵抗感もなくなり、デジタル領域で活躍する確率が上がると考えています。
  • 何も自分で全て書ける必要はなく、1度体験してどういうもので仕組み化?を自分で経験しておくだけでコードがどう動いているのか?を理解することはできるでしょう。

□ デザインシステム基礎

  • ソフトウェアは作る画面が膨大で、またシステムで成り立っているため、1つ1つオリジナルで作るのではなく仕組み化して、共通化して成り立っています。そうすることで素早く機能開発や改善を行い素早く、またバグなく安定して顧客に価値を届けることができます。
  • そのためにデザインシステムが存在します。デザインシステムを作る理由、どういう意味があるのか?どういう設定をするのが一般的なのか?を理解しておくことでエンジニアさんとの連携を簡単にしておくことでチーム貢献できるデザインをやりやすくなります。

基礎を身につけてまずは目指したい状態とは

施策や仕様がユーザーに届く確率を上げるため、検証/テストを使い、顧客目線で良いデザインの定義を行う

■ 役割

ただ言われたUIを作るだけではなく、目的を達成するために最適なUIをPdMを中心に協力して早い段階から検討していき、施策の成功角度を上げていくことに貢献します。

手法としてはUIパターン出し、ユーザビリティテスト、プロトタイピングといったものを使って、**仕様が組まれた早い段階から具体物と一緒に仕様の妥当性を検討していくことに貢献します。**つまり良いUIとは、具体物が良いだけではなく、ちゃんと顧客に届く形になっているのか?そのアイデアを考える段階からデザインしていくことを行えるレベルになります。

まず現場に入ったばかりのソフトウェアに関わるデザイナーはこのレベルを目指していくことが、本当のデザイナーになるための1歩になります。

■ 関わる対象

チーム。PdMと協業して仕様から一緒に考えていくことに貢献しましょう。また開発チームとも早めにUIを共有してどんな開発になりそうか?このUI仕様で大丈夫か?を議論して固めていく動きをとります。

■ スキル

○ インタラクションデザイン

特に基本的なUIパターンを抑えていることが求められます。UIを構成する3つの要素アクション、ナビゲーション、コンテンツ、それぞれの基本的なUIパターンを習得することで、正しい要件に対して正しいUIを作る確率が増えます。

またユーザーの状態や機能を使うユースケースを考慮して、表示する必要のある情報を整理したりなどして、UIの要件定義をしながら、施策の仕様についてチームで議論するために動きます。

○ 仮説検証スキル

UIをいきなり固めるのではなく、パターンを作りながら検討して施策で実現したい結果と顧客の求めているものが合致するUIを考えていく必要があります。早めにプロトタイプを作り社内で触ってもらい批評の観点を得る(ドッグフーディンぐetc)や、ユーザーに触ってもらいきちんと目的に合致する操作をできるのかをテスト(ユーザビリティテスト)したりが必要です。

具体を作れるデザインスキルをもとに、早めに情報を集めて正しい方向で施策を成功に導ける検証スキルが必要になります

※顧客思考

中心ではないですが、顧客思考で顧客を軸にした解決策、デザインアイデアを組み立てる能力も必要です。

■ 具体的な仕事

仮設検証とデザイン制作という抽象度にするとあらゆる仕事が当てはまります。

例えばある機能を改善しよう!という施策であれば”改善するに当たって得たい結果=目的”が存在します。その目的を達成するため、解決すべき課題(原因)は何か?原因を解決するための具体的な形(UIなど)はどうか?を考える段階からPdM/ディレクター、エンジニアなどと一緒に議論していきます。

実際に早めにラフな状態のプロトタイプを作り社内で最適な形や重要な部分を議論したり、ユーザーに触ってもらってアイデアを検討したり。リリース後の結果から学びを得て、それを次のアイデアに繋げてデザインをしたりといったサイクルを自分で回し、チームで回すことに貢献します。

例えばマーケの獲得試作でバナーやLPを作成、改善するプロジェクトでも同様のことをイメージすることはできます。新機能、新規リリースでも同様です。

■ 身につけること

作るだけのデザインではなく、どう立ち回るか?どう進めていくと”より良いアイデア、方向性、コンセプト”の元に”デザイン”ができるか?を進めるスキルが必要です。

仮説検証スキルでは、ユーザビリティテストのやり方や目的や設計、価値検証ではそもそも価値とは?目的の設定の方法は?などの思考を身につけ、実践する、チームで議論するというのが必要です。

これらはLeanUXという本に代表される、スタートアップ的な価値づくりの開発フローにもなります。

方向性を定めた後は、それを正しく実現するための造形力が必要です。UIでいうとインタラクションデザインに当てはまる、UIの基本パターン理解と造形力や、過不足なく目的やユースケースに沿った情報を定義できる構造化のスキル、素早くラフを作りテストするプロトタイピングのスキルが必要になります。

4.BONOとして目指すこと

価値をクリエイション(創る)する人を増やしたい

BONOとしてはどうしていきたいのか?

全てカバーしてくれるんですか?でいうと流石に難しいなと感じます笑

僕の興味を考えた時にBONOで目指したい姿を定義すると「価値(ユーザーがポジティブに変化する変化量)」をデザインする人だと考えています。例えば、自分でサービスを作りたいと思うのあればそれをはじめられるデザイン人材で居てほしいと思いますし、現場で不満があるなら自ら流れを変えてデザインを武器に実行できる人材で居てほしいと思います。

UIデザインするとなったら、UIだけこだわってたら”良いプロダクトになるのか”でいうと明らかにNOです。ユーザーが受ける変化量が変わらなければ、どれだけ使いやすくなってもTooMuchになります。無駄ではないですが本質でないと僕は考えます。

“デザイナー”という肩書きに拘らずに、デザインという武器を手にして自分が望む方に、世の中の良い方に舵を切れる機会と武器開発をするきっかけを作る場所がBONOだと考えています。そのためには”見た目を作る”という狭い視野を飛び出していかねばなりません(むずかちい)

すでに海外で流行っているものを日本に届けるのもいいですが、どれだけ小さい領域でも大きな領域でも、変化できてない人たちの変化を助けるための仕組みを創る。そういう方が僕は人間らしいし、人に寄り添って存在するデザインの価値としては正しいのかなと思っています。

強い個を作る

とはいえ2年ほどBONOをやってみて、デザインのことだけ覚えれば良いデザインができるようになるわけではないことに気づきました。そもそものその人が持っている洞察力や言語化力、伝える力、人間性などがベースで、同じことをやっていても成長率が変わることがわかりました。

それに僕が書いたのは超理想です。その前に自分の生活をなんとかする、という生存的な欲求を求める人が大多数なのもBONOをやって感じたことです。

なのでまずは自ら学んで自ら失敗し自ら機会を創るをデザインを武器にして行う人を増やすというのもBONOとしてはやりたいことです。そのためには狭い理解ではなく、広いデザイン領域の理解と、自分で考え答えを定義し実行して学ぶプロセスをインストールする必要があると考えています。

かつどの現場でも”価値”が何でそのために”今何をすべきか?を問われます。これを常に解像度高く持ち整理しながら、デザインができる人はどこに行っても重宝されます。なぜなら自ら考えてデザインをしているし、現場のメンバーと最上の目的に対して議論しながら進めることができるためです。

そういう部分も含めてこれから紹介するスキルの定義とステップをこれからもブラッシュアップしていきたと考えています。

とはいえまずは現場でマストで必要なことからはじめたいと思います。

価値を創る人は壮大ですが、いきなり目指すにはなかなかハードルが高い。なので2023年から1年ぐらいは現場に入った人がより活躍できる場所づくりを進めていきたいと思います。ちなみに今回定義した、「まずやっとくべき基礎スキル」はデザインを武器に価値を創る際にも必須なので実は全くズレてないと個人的には思っています。ベースには”価値”のためがあり、フロントでは”現場でやっとくべき”というラベルになっている。ただやってみると方向性が明らかになり、感じることができるような体験をしていきたいと思います。

おそらくAI活用も現場では普通になるでしょう。そうなるとここで綴ったことも割と変化を求められてくると思います。個人でやっている分、舵は切りやすいので、UIとかUXとかそういうつまらない枠にとらわれずに”デザイン”をフルで活用して、楽しい世の中をつくる人を増やしていきたいと思います。

1.この記事の全体像

スキルと貢献の道筋を定義してみます

この記事ではジュニアデザイナーがどう成長していくべきか?を考えるのと、BONOとして何をするべきか?を整理するために書きました。
デザインの範囲が広いと言われますが、全体で捉えるからです。全てに貢献できる人材は少ないですが、”じゃあ一般的に貢献する領域ってどういうところなの?”を明確にすることで自分の業務範囲や強みにしたいところなど、手触りをもって考えられるようになれると思います。

すごくまだまだ大雑把ではありますが、ないよりはある方が視界がクリアになると思ったので公開します。
大枠以下の内容が書かれています。

  1. ソフトウェアに関わるデザイナーのスキルマップと貢献する領域を定義してみる
  2. ジュニアデザイナーがまず身につけるべきこととその理由
  3. BONOとして何をしていくのか?

現場に入ったらまずどう成長するべき?を提示します

この記事を書く理由は現場に入ったデザイナーがどう成長していくのが良いのか?を考えるためです。まずやるべきことを、ゴールを”事業やサービスの成長に貢献する”ということにセットして定義していきます。

ちなみに対象はUI/UXデザイナーと呼ばれる、具体物も作るしユーザーの体験もデザインする人たちをベースに書きます。逆に、いわゆるUXデザインを専門にするなど”具体案までは考えない、実行にも責任を負わない”ような立ち回りは念頭に置いていません。

その考えでJuniorデザイナーがまず事業貢献するという観点でいうと**「スムーズな開発を実現する」「目的を達成するUIの形を素早く検証して実現する」**この2つです。どちらかができる、を自分の関わっている会社や事業フェーズに即して実行し、身につけることが大切です。全員が全員綺麗にこの中で定義している流れに沿うことはほぼ不可能だと思っています。その観点では地図ではなく羅針盤です。

ゆくゆくはどちらも基礎レベルぐらいは習得できるとミドルデザイナーとして活躍していると思います。この話を詳しくこのページでは書いていきます。

時代は変わります

AIがワークフローに入るのはもう当たり前になりつつあります。ただ今回の話を書くときはまだ本格的に何かを代替するレベルまで現場フローはAIが一般化はされていません。ただこの変化はもう数ヶ月以内に当たり前になるでしょう。

このように時代は変化するので、超具体的な部分を信じ続けるのではなく、”なぜこれが重要なのか?”という本質部分で理解し受け止めるようにしてください。時代が変わればやることも変わりますし、やらなくて良いことも増えます。

2.デザイナーのスキルマップ

この章の全体像

  • UI/UXデザイナー関連で習得すべきと言われるスキルを4年目以内のデザイナーぐらいで記します。5年目以上になると組織の話やCXOに行くためのビジネス×クリエイティブ的な話になりますがそこはカットしてます
  • まずは大枠キャリアの方向性を3タイプで分類したものを用意しています。これは別に縛られる必要はありません。大体こうなるのが多いよね。という話でしかないです。かなりざっくりですが、無いよりは「あ〜こういう領域での貢献があるのか」をわかりやすくすものです。もう1度言いますが縛られる必要はありません。
  • 次にスキルマップとして描いた地図を共有します。コアに基礎として身につけるべきものがあり、そのあとは現場や事業フェーズによって求められるスキルが変わるため、”地方”というマップにしています。順番関係なく必要な知識や興味のあるスキル地方を攻略して武器を得ていけば良い。という考えのもと、表などではなくマップとして描いています。

【大枠】2023年 デザイナー3タイプ

まず前提として、デザイナーは主にどういう領域に貢献することが多いのか?を共有したいと思います。この3つに決して縛られる必要はないです。そして組み合わせをすることで埋められないニーズに対応したり、”デザイナー”という枠を出ることで違う価値を提供する人物になることももちろんできます。

ただ、”デザイナー”という枠で考えると、大きく3つの方向性があるように思っています。

  1. 顧客に寄り添い継続して価値を享受できる体験を定義するデザイン
  2. エンジニアリングと連携し、効率よく統一されたUIを設計し、組織の開発効率に貢献するデザイン
  3. 認知/獲得フェーズで力を発揮し、サービスや機能、コンセプトの認知を、より魅力的で過不足ない状態で伝えるデザイン

あえて「〜〜デザイナー」という役職は書いていません。なぜならさまざまなスキルが横断的に、それぞれのタイプには使われます。かつ、必ず1つのタイプしか選べないということでもないです。わかりやすい言葉の定義というのは、採用やマーケティングなど伝播目線であえて区別した記号に過ぎません。

ちなみにこの3タイプは事業モデルによって重視されるもの変わります。例えば物販系のECだとソフトウェアではないので顧客との長期的なコミュニケーションが重視されますし、サブスク系のノートアプリなら継続して使いやすい、目的を達成するための品質が求められます。

1.顧客に寄り添い継続して価値を教授する体験を作るデザイン

いわゆるUI/UXデザインというやつだと思います。プロダクトデザインやサービスデザインという領域にも関わる部分です。BONOとカイクンが得意とするのはこの領域です。

ユーザーと事業を考えたときの価値を定義/理解し、そのゴールに向けてどのような顧客体験であるべきかを定義し、顧客がその体験を得られる具体的な形まで定義していきます。

筋トレに最適な焼き鳥屋を作るのであれば、コンセプト、メニュー設計、店内の導線設計など、すべての顧客接点(UI)を考え体験を作り、ユーザー価値をデザインします。

2.エンジニアリングと連携し、効率よく統一されたUIを設計し、組織の開発効率に貢献するデザイン

主にUIデザイン、UXエンジニア、デザインデベロッパーのような領域でしょうか。Figmaが目指す世界観に近いです。

デジタルの表現は結局コードの上に全てが乗っかっています。なのでそれを無視して考えることはできません。そのためシステマチックに表現の仕組みを作り、チームに普及させることで、迅速に体験を検証してプロトタイピングを行ったり、リリースをしたりすることで、顧客に届けるスピードと精度を高めることができます。またバグも減りやすくなるので開発工数の削減と本質的な開発に注力することの手助けにもなります。

この部分に貢献し、結果として良い事業を作りやすくするデザインです。焼き鳥屋で例えるなら、コストが極端に上がらない新メニュー開発の仕組みを作ったり、焼き鳥を焼く速度やストックの管理コストを下げ、品質をいつでも保つことで、焼き鳥屋の運営に貢献します。

3.認知/獲得フェーズで力を発揮し、自社サービスをより魅力的で過不足ない状態で伝えるデザイン

いわゆるコミュニケーションデザインと言われるようなフェーズです。Webサイトを作るデザインや、バナー、ブランドに関わるビジュアルを作るのはここに該当します。

ただかっこいいものを作って認知を集めるのではなく、既存顧客はどんなユーザーか?アプローチしたい潜在ユーザーはどんな顧客か?から逆算して伝えるべきことから設計していきます。そこで設計した考えを過不足なく顧客に届けるためのアウトプットをデザインすることにも責任を持つデザインです。

主にマーケティングと呼ばれる分野と連携することが多く、良い体験により継続率をあげるというより、まだ伝わってないこと伝えたいことを伝え、認知や獲得に貢献します。ブランド観点では継続した一貫したコミュニケーションを取ることでユーザーとの関係性を担保していく側面もデザインしていきます。

焼き鳥屋で例えると、どんな焼き鳥屋なのか?の価値を来店してない顧客に伝え興味を持ってもらうデザインを考えたり、新メニューを既存顧客や新規顧客に伝えたり、連続した店舗のあり方を伝えることでファンになる顧客を増やしたりしたことに貢献します。

UI/UXデザイナーのようなソフトウェアに関わるデザイナーは主に「1」か「2」に該当すると考えています。

ソフトウェアデザイナーのスキルマップの全体像

  1. 中心(写真1名目) : どのタイプもデジタル領域に関わるなら持っておくべき基礎スキル
  2. 各地方:さまざまなソフトウェアデザインに関わるスキル分野を散りばめ、貢献領域×スキルを分類しています
  3. 各スキルと貢献する領域(写真2名目) : デザインのフローに直した時に、どのスキルがどのフェーズで活躍するものなのかを示しています。

マップのFigjamはこちら

マップの見方 / 進め方

  • まずはコア領域である中心の”基礎の円”から着手してデザイナーとしてスキルの土台を作るのを推奨しています。そのあと、携わる業務内容など実践できる機会をベースに今の自分の中で伸ばすべき能力を考え、各地方領域を攻略していくのを想定しています。
  • 実践の機会が自分の強みを作る:土台を作りつつ、業務で必要なスキルの比重を自分のプロジェクトごとに考えて、各地方についてのスキルと知識と経験を深めていくのがリアルな働き方になると個人的には考えています。「自分はこういうデザインがしたい!」ももちろんアリです。ただなかなか見つけられないのと、自ら時間や機会を作る難易度もあるので、日々の業務をベースに力を伸ばしていくのが大半なのかなと考えています。今の職場が自分の求める業務やスキルでない場合は、場所を変えることをお勧めします。
  • なぜ土台作りが重要かというと、この土台が各スキルで活躍できる基礎能力になるためです。一見、関連が無いように見えますが、それぞれのスキルは1つのデザインフローの上に成り立っているので、関連しています。なので全ての土台になるベースのスキルをまず掴んでおくと各方面の攻略がやりやすくなります。
  • キャリアとしてどこを伸ばすのか?の答えにこの図はならないですが自分貢献したい領域や興味のある領域を認識する手助けになると考えています。

マップの中心:基礎について

ソフトウェアに関わるデザイナーとしてまず着手し、身につけておくとデザインを武器に立ち回りやすいと考える、基礎スキルです。後述する「基礎:ジュニアがやっとくと後が楽なこと」で詳しく書いていこうと思います。

各スキル(地方)について

貢献できる代表的な領域を地方という名前で分けています。必要な地方から旅に出ていくといいますし、興味と必要性がある限り地方を攻略して各地方にある武器を手に入れていくことでデザインスキルが上がっていきます(=貢献できる領域が広がります)

□ サービス地方:デジタルプロダクトデザインと顧客価値の発見と定義

  • いわゆる”サービスデザイン”や”プロダクトデザイン”、”UXデザイン”と呼ばれるような領域です。”サービスを成長"させるためにデザインで貢献します。主な部分としては顧客像を解像度高く理解し、顧客にとっての価値が何かを具体化し、サービス成長に貢献していくことになります。
  • そもそもサービスがどうやって成り立っているのか?を考えるために顧客のことだけではなく、ビジネスについてもある程度理解が必要です。顧客に価値を提供しつつ、ビジネスとしても成立させることで継続的に顧客に価値を届けることができます。
  • UXデザインと呼ばれるような、顧客理解、理解した顧客を軸に解決策を設計する力もここに入ります。
  • ソフトウェアに関わらず、状況が絶えず変化する現代で、”価値”をデザインするために重要度の高いスキル領域になると考えています。

□ UI地方:UIインタラクション

  • 目的や顧客にとって正しく機能するUIをデザインするためのスキル領域です。
  • ただUIを作るための知識だけではなく、”以下に検証しながら失敗確率を下げて顧客を理解しながらデザインするか”というプロトタイピングやリーンなプロダクト開発の考え方もここに必要になってきます。
  • またもちろん具体的なUIの形を定義し、目的を達成する操作をユーザーが行えるよう正しいUIを設計する知識や経験も入ってきます。

□ システム地方:UIのシステム化/効率化

  • エンジニアリングと設計し、UIの仕組み化を進めていくスキル領域です。主にデザインシステムの設計、ツール周りの組織最適化などを行うスキル領域です。
  • ユーザーにとっての価値を直接作れるスキル領域ではなく、エンジニアリングとデザインの融合により、組織の開発スピードに貢献することが多いと考えます。ドラクエで言うとスカラやスクルトを唱え、味方の素早さをアップさせる役割を担います。
  • 生成AIの時代を捉えると、デザインやコードの土台を仕組み化し効率化していくことは結果的に業務スピードや精度の向上に大きくつながり、メンバーが本質的に価値をデザインしていくことに時間を使うために重要だったりもします。

□ コミュニケーション地方:コミュニケーションデザイン

  • いわゆるグラフィックデザインやWebデザインに近いスキル領域です。主にユーザー獲得やサービス/機能認知に関わる部分を担うスキル領域になります。
  • ソフトウェアデザインで頻繁に使うことを少なく、マーケティング系の要素と連携して以下にユーザーにサービスの価値を認知してもらうのか?から逆算してクリエイティブ制作するようなスキルです。
  • 狭義でいうと一定のクオリティのスタイリングを整えるだけに見えるかもしれませんが、広くデザインを捉えると、そのサービスをどう顧客に認知してもらうのか?というブランドの部分から関わってデザインしていくことで、本質的価値への貢献ができるスキル領域です。
  • ソフトウェアを作る文脈とは切り離されていることが多い領域になります。

□ 人間力地方:社会人基礎力

  • デザイナーとして働く上で、また自分のスキルを向上させていく上で避けられないソフトスキル系の領域になります。デザイナーという肩書きから、あまりロジカルシンキングや構造化力などビジネスマンが必要とするスキルは無縁に思われますが、デザインを考えていく上でも、この領域のスキルはとても必要になります。(例えばアイデアを整理したり、顧客に対して機能するデザインアイデアを考える時の”整理する力”などがこれにあたります)
  • 全ての業務では人と関わっていくので、自分の考えを過不足なく伝えたり、業務進行上必要な情報を共有したりと、必ず必要になる領域です。デザイナーといえ、雇われている以上はサラリーマンであり、ビジネスに関わってる以上はビジネスマンです。全てのスキルの土台になる領域でしょう。
  • 少しズレる部分はありますが、デザイン組織作りや、マネージャー業などで人をみる力が必要になることもあるでしょう。それに必要なスキルもこの領域に含めてみたいと考えています。

スキルと役職

スキル領域だけでみては「この領域はいつどういう時に役に立つのか?」はよくイメージがつきません。

なので、デザインフローでいうとどこに該当するのか?を考えると、どのスキルを身につけると何ができるのか?のイメージが付きやすいです。
そのイメージを以下に貼っておきますのでチェックしてみてください。一般的に使われる役職のラベルはデザインの流れに直すと具体的に理解することができるのでおすすめです。

UI/UXデザインの進め方/流れの全体像についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

画像のFigjamはこちらです。

3.基礎:ジュニアがまず貢献すべきと考えること

晴れてデザイナーになった!現場に入ったぞ!やった!

となりますが、”え、デザイナーってめっちゃやること多いやん”と調べたり知っていけば行くほどなっていくと思います。リサーチしてアイデアも考えてUIも作るの?え、ビジネスもやらないといけないの?金くれ!!!それから考える!!

こんな方も多いでしょう。そのためこの章では、”サービス成長にデザインで貢献する”をゴールにとらえたときに一般的にはまず何から進めていくと良いのか?を定義しておきたいと思います。もちろん答えはないですし、現場によって求められることは変わりますが、土台のスキルを身につける意味でもまずはこれに貢献しよう!というものを定義することで、考える土台を作ってみたいと思います。

貢献する2つの領域。まずは1つからでOK。

このページの最初にも書きましたが、Juniorデザイナーがまず事業貢献するという観点でいうと**「スムーズな開発を実現する」「目的を達成するUIの形を素早く検証して実現する」**この2つです。どちらかができる、を自分の関わっている会社や事業フェーズに即して実行し、身につけることが大切です。

「目的を達成するUIの形を素早く検証し模索して実現する」

  • 事業目標を達成したい状態にデザインで貢献していきます。正しいUIを作るスキルを磨きながら、UIを大事にするのではなく、事業の先にいる顧客が何を求めているか?から逆算してUIをデザインすることを考えていきましょう。
  • そのため1つ目に、まずは正しいUIをデザインできるスキルを基礎レベルで磨いていくことが大事です。代表的な部分でいうと、マテリアルデザインのような体型的にまとまっているガイドラインをベースに、どのUIを作る時にも使えるUIの基礎概念を一通り習得しておくと良いでしょう。機能に対して正しいUIのアイデアを出しやすくなります。
  • もう1つは仮説検証のスキルです。結果にコミットする上で、ビジネスまでいきなり考えるのは難しいでしょう。なので、達成したい状態に向かうために、UIを細かく作ったり、リリース前に検証したりテストしたりを通して、顧客の声をベースに課題に対して正しくUIを作れているのか?をチームで考えながら取り組むやり方を身につけましょう。これを磨くことで目的に対してデザインするスキルも身につきます。PdMなどと協力して、顧客に届くUIの形を素早く正確にチームで模索する業務フローを身につけましょう。
  • これらをやるために、ビジネス的な側面で、”自分がデザインする要素が、サービスの何に貢献するのか?”というプロダクトデザインのモデル理解も重要になってきます。

「スムーズな開発を実現する」

  • エンジニアリングはデザインより複雑なため、エンジニアの数の方がデザイナーより必然的に多くなります。そのためデザイン→エンジニアリングの連携の効率が高いほど、速くスムーズな開発が可能になり結果として顧客に価値をうまく届けやすくなります。
  • そのためデザインデータやデザインアイデアがエンジニアリング可能かつシンプルに実装できる形で、最大の効果や見た目を担保できる状態が理想になります。理想までいかなくて良いですが、デザインのことをうまくエンジニアに伝えたり、エンジニアリングが困らないUI設計ができることで、顧客にとっても使いやすいプロダクトをデザインすることに繋がります
  • コードを介したフロント実装についての基本的な知識を得たり、UIの状態管理について学んだり、エンジニア目線でのコミュニケーションのしやすさ、デザインシステムについて学ぶことによりデザインと開発の連携に貢献します。

基礎スキル - デザイナー基礎力として身につけておきたい

□ グラフィック基礎

  • あまり任せられることはないかもしれませんが、バナーやLPなどのデジタル媒体のグラフィックアウトプットを作る技術が平均値より高いと、自信もって”デザイン”の仕事をいろいろ引き受けられますし、自分でよしなにやる能力もデザイン面で身につくと思います。
  • UIの練度や見る目にも直結するので一概に関係ないとは言えない(というか結構関係ある😂
  • なので世の中の中の上ぐらいのバナーやLPのクオリティのものは1-2年かけてコツコツ作れるようになっていくと良いと思います。
  • 基本的にはUIと同じで、世の中で”見た目のクオリティが高い”と言われるバナーやLPはパターンがあります。バナーは難しいですが、LPに関してはWebギャラリーサイトがあるのでそれを毎日見てビジュアルの目を養うことはマストでやりましょう。
  • トレーニングに関しては、自分が良いと思う、世の中的にもいけてるサービス(ITに限らない)が出しているリリースのアイキャッチなどを集めてそのクオリティに近いアウトプットを作りましょう。例えば自分のポートフォリオサイトを作る、自分のブログのサムネイルに無駄にこだわりまくる。こういう作る機会1つ1つを大事にすることで余分に時間を取らずに集中してトレーニングできます。

□ 仮説検証基礎

  • 現場でサービスに関わることが9割なUI/UXデザインにおいて、仮説検証の考え方を身につけて価値をデザインしていくスキルを高めることは大切です。
  • 要件をデザインに落とすだけはかなり楽です。ただそれでは委託された作業者になってしまいますし、チームにもなってません。サービスに関わる現場に入ったのであれば、PdMやエンジニアメンバーと協力して”そもそもどうやると今解決したい課題や上げたい数字を伸ばせるのか?”をデザイナーも考え議論に参加していけるようになりましょう。
  • スキルでいうとプロトタイピングの考え方と実行や、ユーザビリティテスト、リーンスタートアップ的なプロダクト開発フローを理解して実践に取り入れていくことになります。

□ 基本UIパターン基礎

  • UIデザインを任せられるということは、他の人よりUIに詳しく責任を持てなければなりません。その意味で”世の中的な一般的なUI”をしっかり把握しておくことは大切です。
  • どうすれば良いの?という時に”ガイドライン読め読めおじさん”の登場です。俗にいうガイドライン読めのガイドラインはマテリアルデザインとHIGになります。どちらも固有OSのために作られたものですが、定義がしっかり解説されていて、ブラウザのUIにも活かせるエッセンスをまとめて理解する教科書的存在になっています。
  • まずはガイドラインの読み方を理解し、基本コンポーネント/ UIパターンから、色や階層のシステムまで理解をしていきましょう。また業務中に迷うことは大体ガイドラインにまとまっているのでそれを参照してデザインしていくことで日々の業務の中でも基礎UI理解を深めることが可能になります。

□ プロダクトデザイン基礎

  • 仮説検証ととても関連する項目でプロダクトデザインの基礎理解が重要です。プロダクトデザイン理解と言えば広くなるのでここでは”プロダクトがどういうビジネスで成り立っていて、自分たちのユーザーはどういう流れでサービスを利用し、どこで価値を感じるから継続し、お金を落とす”のでサービスが成り立つ。といったモデルを理解するというのが1つ基礎としてあります。
  • また、プロダクト改善をする上での一般的な考え方、KPIの立て方、コホート、とUIの関係性についても基礎理解することで、自分の行うデザインがどう事業に、顧客に影響を及ぼすのか?という視点を得られやすくなります。そうなることでただ見た目を作るだけでなく、顧客に届く価値をデザインするという視点を持ちやすくなり、事業貢献しやすくなります。

□ コード理解基礎

  • デジタル媒体でデザインをする以上、コードと接することはなかなか避けることはできません。特にソフトウェアに関わるデザインをする上では避けては通れないでしょう。
  • そのため”基本的にコード上で見た目の調整はどのようにされているのか?”、”どのように見た目をコードで組んでいるのか?”、”そもそもサービスはどのような仕組みで情報を表示しているのか”といったことを実際にコードを書きながら理解しておくことで、エンジニアサイドとのコミュニケーションだけではなく、業界の変化や新しい知識に対しての抵抗感もなくなり、デジタル領域で活躍する確率が上がると考えています。
  • 何も自分で全て書ける必要はなく、1度体験してどういうもので仕組み化?を自分で経験しておくだけでコードがどう動いているのか?を理解することはできるでしょう。

□ デザインシステム基礎

  • ソフトウェアは作る画面が膨大で、またシステムで成り立っているため、1つ1つオリジナルで作るのではなく仕組み化して、共通化して成り立っています。そうすることで素早く機能開発や改善を行い素早く、またバグなく安定して顧客に価値を届けることができます。
  • そのためにデザインシステムが存在します。デザインシステムを作る理由、どういう意味があるのか?どういう設定をするのが一般的なのか?を理解しておくことでエンジニアさんとの連携を簡単にしておくことでチーム貢献できるデザインをやりやすくなります。

基礎を身につけてまずは目指したい状態とは

施策や仕様がユーザーに届く確率を上げるため、検証/テストを使い、顧客目線で良いデザインの定義を行う

■ 役割

ただ言われたUIを作るだけではなく、目的を達成するために最適なUIをPdMを中心に協力して早い段階から検討していき、施策の成功角度を上げていくことに貢献します。

手法としてはUIパターン出し、ユーザビリティテスト、プロトタイピングといったものを使って、**仕様が組まれた早い段階から具体物と一緒に仕様の妥当性を検討していくことに貢献します。**つまり良いUIとは、具体物が良いだけではなく、ちゃんと顧客に届く形になっているのか?そのアイデアを考える段階からデザインしていくことを行えるレベルになります。

まず現場に入ったばかりのソフトウェアに関わるデザイナーはこのレベルを目指していくことが、本当のデザイナーになるための1歩になります。

■ 関わる対象

チーム。PdMと協業して仕様から一緒に考えていくことに貢献しましょう。また開発チームとも早めにUIを共有してどんな開発になりそうか?このUI仕様で大丈夫か?を議論して固めていく動きをとります。

■ スキル

○ インタラクションデザイン

特に基本的なUIパターンを抑えていることが求められます。UIを構成する3つの要素アクション、ナビゲーション、コンテンツ、それぞれの基本的なUIパターンを習得することで、正しい要件に対して正しいUIを作る確率が増えます。

またユーザーの状態や機能を使うユースケースを考慮して、表示する必要のある情報を整理したりなどして、UIの要件定義をしながら、施策の仕様についてチームで議論するために動きます。

○ 仮説検証スキル

UIをいきなり固めるのではなく、パターンを作りながら検討して施策で実現したい結果と顧客の求めているものが合致するUIを考えていく必要があります。早めにプロトタイプを作り社内で触ってもらい批評の観点を得る(ドッグフーディンぐetc)や、ユーザーに触ってもらいきちんと目的に合致する操作をできるのかをテスト(ユーザビリティテスト)したりが必要です。

具体を作れるデザインスキルをもとに、早めに情報を集めて正しい方向で施策を成功に導ける検証スキルが必要になります

※顧客思考

中心ではないですが、顧客思考で顧客を軸にした解決策、デザインアイデアを組み立てる能力も必要です。

■ 具体的な仕事

仮設検証とデザイン制作という抽象度にするとあらゆる仕事が当てはまります。

例えばある機能を改善しよう!という施策であれば”改善するに当たって得たい結果=目的”が存在します。その目的を達成するため、解決すべき課題(原因)は何か?原因を解決するための具体的な形(UIなど)はどうか?を考える段階からPdM/ディレクター、エンジニアなどと一緒に議論していきます。

実際に早めにラフな状態のプロトタイプを作り社内で最適な形や重要な部分を議論したり、ユーザーに触ってもらってアイデアを検討したり。リリース後の結果から学びを得て、それを次のアイデアに繋げてデザインをしたりといったサイクルを自分で回し、チームで回すことに貢献します。

例えばマーケの獲得試作でバナーやLPを作成、改善するプロジェクトでも同様のことをイメージすることはできます。新機能、新規リリースでも同様です。

■ 身につけること

作るだけのデザインではなく、どう立ち回るか?どう進めていくと”より良いアイデア、方向性、コンセプト”の元に”デザイン”ができるか?を進めるスキルが必要です。

仮説検証スキルでは、ユーザビリティテストのやり方や目的や設計、価値検証ではそもそも価値とは?目的の設定の方法は?などの思考を身につけ、実践する、チームで議論するというのが必要です。

これらはLeanUXという本に代表される、スタートアップ的な価値づくりの開発フローにもなります。

方向性を定めた後は、それを正しく実現するための造形力が必要です。UIでいうとインタラクションデザインに当てはまる、UIの基本パターン理解と造形力や、過不足なく目的やユースケースに沿った情報を定義できる構造化のスキル、素早くラフを作りテストするプロトタイピングのスキルが必要になります。

4.BONOとして目指すこと

価値をクリエイション(創る)する人を増やしたい

BONOとしてはどうしていきたいのか?

全てカバーしてくれるんですか?でいうと流石に難しいなと感じます笑

僕の興味を考えた時にBONOで目指したい姿を定義すると「価値(ユーザーがポジティブに変化する変化量)」をデザインする人だと考えています。例えば、自分でサービスを作りたいと思うのあればそれをはじめられるデザイン人材で居てほしいと思いますし、現場で不満があるなら自ら流れを変えてデザインを武器に実行できる人材で居てほしいと思います。

UIデザインするとなったら、UIだけこだわってたら”良いプロダクトになるのか”でいうと明らかにNOです。ユーザーが受ける変化量が変わらなければ、どれだけ使いやすくなってもTooMuchになります。無駄ではないですが本質でないと僕は考えます。

“デザイナー”という肩書きに拘らずに、デザインという武器を手にして自分が望む方に、世の中の良い方に舵を切れる機会と武器開発をするきっかけを作る場所がBONOだと考えています。そのためには”見た目を作る”という狭い視野を飛び出していかねばなりません(むずかちい)

すでに海外で流行っているものを日本に届けるのもいいですが、どれだけ小さい領域でも大きな領域でも、変化できてない人たちの変化を助けるための仕組みを創る。そういう方が僕は人間らしいし、人に寄り添って存在するデザインの価値としては正しいのかなと思っています。

強い個を作る

とはいえ2年ほどBONOをやってみて、デザインのことだけ覚えれば良いデザインができるようになるわけではないことに気づきました。そもそものその人が持っている洞察力や言語化力、伝える力、人間性などがベースで、同じことをやっていても成長率が変わることがわかりました。

それに僕が書いたのは超理想です。その前に自分の生活をなんとかする、という生存的な欲求を求める人が大多数なのもBONOをやって感じたことです。

なのでまずは自ら学んで自ら失敗し自ら機会を創るをデザインを武器にして行う人を増やすというのもBONOとしてはやりたいことです。そのためには狭い理解ではなく、広いデザイン領域の理解と、自分で考え答えを定義し実行して学ぶプロセスをインストールする必要があると考えています。

かつどの現場でも”価値”が何でそのために”今何をすべきか?を問われます。これを常に解像度高く持ち整理しながら、デザインができる人はどこに行っても重宝されます。なぜなら自ら考えてデザインをしているし、現場のメンバーと最上の目的に対して議論しながら進めることができるためです。

そういう部分も含めてこれから紹介するスキルの定義とステップをこれからもブラッシュアップしていきたと考えています。

とはいえまずは現場でマストで必要なことからはじめたいと思います。

価値を創る人は壮大ですが、いきなり目指すにはなかなかハードルが高い。なので2023年から1年ぐらいは現場に入った人がより活躍できる場所づくりを進めていきたいと思います。ちなみに今回定義した、「まずやっとくべき基礎スキル」はデザインを武器に価値を創る際にも必須なので実は全くズレてないと個人的には思っています。ベースには”価値”のためがあり、フロントでは”現場でやっとくべき”というラベルになっている。ただやってみると方向性が明らかになり、感じることができるような体験をしていきたいと思います。

おそらくAI活用も現場では普通になるでしょう。そうなるとここで綴ったことも割と変化を求められてくると思います。個人でやっている分、舵は切りやすいので、UIとかUXとかそういうつまらない枠にとらわれずに”デザイン”をフルで活用して、楽しい世の中をつくる人を増やしていきたいと思います。

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